出版社内容情報
ダリ、谷内六郎、柴田練三郎ら心魅かれる人物と、不眠、なめくじ、眼病等、ひたすら俗なるものを語りつつ、かぎりなく飛 して魂の根源へと向かう芸術家の心の軌跡
内容説明
サルバドール・ダリを見た日の事に始まり、不眠、禿、蟻、ナメクジ等、卑俗な日常の瑣事から発想して魂の根源に至らんとする、あるいは眠られぬ夜に永劫の輪廻転生を想い絶句する。〈至福千年王国〉を夢見て限りない自己への旅を続ける芸術家が、わななく心の軌跡を2年間にわたって微細に綴った思索的エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
16
☆★☆前回読んだインドへは芸術家なので多少妄想癖があるのも理解出来、ポジティブな印象がありました。今回は明らかに不眠症で神経障害のような状態が2年近く続く中で綴った内容で本当に大丈夫かと心配になる程でした。私も本厄前後の時に色々と体調不良が断続的に出てやばいなと感じていた時期があったので、当時第一線の横尾さんが同じような精神状態でも創作活動を持続していた事に非常に親近感を持ちました。自由な創作活動を継続し想像力の源泉が枯渇しないように維持しながら第一線に立ち続ける事の難しさを感じられる作品だと思います。2014/02/07
tekesuta
1
ちょうど今の自分と同じくらいの歳に書かれた文章。自分も死のことをこのごろよく考えてしまうようになったが、横尾さんも死に捉われたといってもいいくらい死についていろいろ考えてるような時期に当たっていたようで、中年というのはそういう時期なのだろうか。「不眠症が雲散霧消する事」のところで「死の恐怖に捉われるのも結局明日のことを思い煩うからだろう」という言葉があって、ああ、そうなのかもしれないと共感した。 2013/01/05
ドラゴン
1
横尾忠則の興味関心の広さを知った。グラフィックだけではなく,広く世界を探求しようとする心が本業の作品にも深みを与えるのであろう。読むと仏教的,禅的なものへの興味が湧いてくる本。座禅がしたくなる。2011/12/07
丰
1
Y-202006/03/13
linbose
1
☆☆☆2008/08/09