出版社内容情報
若い歌舞伎俳優が娘と恋仲になって結婚を申し込んだが、娘の祖父母が許さない──窮地を救う老優、雅楽の名さばき。他十一篇を収録
内容説明
老歌舞伎役者中村雅楽は芸も一流、推理力も抜群。酸いも甘いも噛み分けた豊富な人生経験を武器にして、華やかな歌舞伎の世界で巻き起る難問を、粋に優雅に解決する。若い歌舞伎俳優が娘と恋仲になって結婚を申し込んだが、娘の祖父母が許さない。そこで雅楽が考えた名案とは―。表題作ほか十一篇の人情名さばき。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shiaruvy
1
【20回忌再読】 ★4.5 [1993.11.10 初版] 1日遅れの命日読み。 創元文庫『團十郎..』『グリーン車..』が捜索できなかったので中村雅楽ものの最後の本にした。 展開のテンポ遅い..が,これが枯れた味わい益々醸し出し耽溺。(^∀^)ノ 結果や答え早く求める若者にはこのシリーズ作品の良さは解らないだろうなぁ。2013/01/24
よし
0
なんと画像が出てこない(笑)。戸板さんが生んだ名探偵といえば、中村雅楽。そのシリーズも後半の作品だそうで、古書店で見つけて読んでみました。今は日常の謎はミステリーでは当たり前になっているが、まだこれは日常の謎までいっていない(笑)。泥々とした四角関係も、雅楽が解いたら爽やかにさりげない。それほど鮮やか。私は名作「グリーン車の子供」しか読んだことがありませんが、これは心地よすぎ。トラブルを抱えて問題になりそうな事案も雅楽にかかれば、さりげなく解決しちゃうんだから、すごい。最も老人とは思えない恋心が笑えます。2018/05/27