内容説明
義仲・行家ら、源氏勢の入洛が迫る。この先、どんな運命を辿るのか。前途に光明が見えぬなか、平家一門は幼い安徳天皇と三種の神器を戴いて、とるものもとりあえず都から逃げ落ちる。西国の一ノ谷、屋島、そして壇ノ浦へ。最後の闘いの火蓋が切られた。諸行無常の響きが全編を貫く、壮大なる歴史絵巻、全巻完結。
著者等紹介
宮尾登美子[ミヤオトミコ]
大正15(1926)年、高知市に生れる。昭和37年「連」で婦人公論女流新人賞を受賞。さらに48年「櫂」で太宰治賞を、52年「寒椿」で女流文学賞を、54年「一絃の琴」で直木賞を、58年「序の舞」で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。平成元年、紫綬褒章受章。平成20年、第56回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
25
平家物語は好きな話ですのでいろいろな方が書かれた平家物語を読んでいますが、宮尾さんは最も女性視点がかかっているように感じました。そこが斬新に感じる部分であるとともに、政治や戦いの部分はあっさりしすぎているように感じ物足りなく感じる部分もありました。しかし読み終わってみると、平家物語の主題から考えるとこれでいいのかなと思っています。2023/11/07
noémi
4
一巻から四巻の中頃までは、拙い手で描かれた水墨画といった感だが、義経の一の谷合戦のあたりから、熟練の絵師の、目にも絢な金銀砂子を蒔いた極彩色の絵草子と変化する。傲岸不遜で怯懦することを何よりも嫌い、勇猛果敢に戦う義経。特に那須与一の扇を射抜くくだりは、名場面で知られており、緊張優雅の極み。知盛、教盛、教経などの平家の智将たちの滅ぶさまは潔く、哀れで美しいが、宗盛親子の浅ましく見苦しい最期は何としたことか。それ以上に後白河院の大変節漢ぶりには呆れる。そして頼朝の冷血漢ぶりにも。しかし、これも一つの処世術。2012/08/22
サティ
4
う~ん・・・何といっていいのか・・すごかったねぇ。。。初めて読む。歴史物語・・。作者がよかったでしょうか。どんどん引き込まれていきました。これを機に他の歴史物語も読んでみたいです。今度は源氏視点で平家を見てみたい。2012/06/30
おと🦁🐾
3
4巻からなる大作。読めて良かった。2023/02/20
伯爵夫人
2
4巻はもう平家滅亡の話なのでなかなか読んでいて辛い。 宮尾本はやはり軍記物で男性目線ばかりの多くの平家物語と違い、時子や宗子の女性ならではの視点が入ってくるところに共感を覚える。また安徳天皇の血を残したいと禁手を使ってしまうところもたまらん。2023/11/21