内容説明
保元・平治の戦いに相次いで勝利をおさめ、平清盛は武士として、栄華の絶頂を極める。しかし高位を独占する平家の横暴ぶりに、不満を募らせる源氏や貴族勢は、打倒平氏の準備を着々と進めていた―鹿谷の謀議発覚後、後白河法皇の裏切りに業を煮やした清盛は、ついに法皇を幽閉し、幼い安徳天皇を連れて福原遷都を強行する。
著者等紹介
宮尾登美子[ミヤオトミコ]
大正15(1926)年、高知市に生れる。昭和37年「連」で婦人公論女流新人賞を受賞。さらに48年「櫂」で太宰治賞を、52年「寒椿」で女流文学賞を、54年「一絃の琴」で直木賞を、58年「序の舞」で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。平成元年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
21
平家の絶頂期から福原遷都までです。平家の絶頂期が思ったよりも短いと感じます。家族的すぎる平家は一門や人に対して厳しい姿勢がとれず、隙が生じていったと思います。特に宗盛のパンチはかなり効いていて、廃嫡せずに彼を将来の総帥にしたらそりゃ衰退するだろうとも思いました。ただ維盛もパンチ効いていますが2023/11/07
noémi
10
盈つれば虧くるのが世の習い。ならば平家とて、その例から逃れる術はない。忠盛から清盛、そして重盛と平家の世は栄えに栄えた。しかし一族の後継者と恃みにしていた文武両道に長ずる総領息子、重盛が早世した辺りから、なにやら不協和音が響いてくる。重盛の通夜の晩に、「これからはわしの天下じゃ」と祝い酒をする三男宗盛の浅ましさ。そして、後白河院を軸とした鹿ケ谷の陰謀。驕り高ぶる平家に対する恨みつらみの綻びはいつしか大きな裂け目となり、修復不可能なまでの瑕疵となる。老年を迎え、狂いゆく清盛。その一方で、源氏の末裔たちは…2012/08/12
hideo
4
清盛の妻、時子からの視点が多くなり、また、重盛の死後の清盛の迷走が語られる。1巻でも感じましたが、宮尾さんの切り口がこの時代に合っていると思います。2012/07/25
サティ
4
歴史を勉強しておけばよかった・・と思いました。 いろいろな言葉があまりわからず・・それでも物語に引き込まれていきました。昔の日本地図を片手に読んでいます。2012/05/06
いさ
3
1章ずつちまちま読んでたら時間がかかりました。でも、電車の中など細切れの時間に読むにはちょうどいい区切り方。1巻の最後から平家の家運は絶頂へ。しかし、巻半ばから少しずつ様子がおかしくなり・・・後半現れる源平きってのスターキャラ・義経の前には、奢る平家の華やかさもかないませぬ。2012/07/15