内容説明
Rの発音の上手な女。花の名前が覚えられない男、記憶力のよい老人…。大都会に生きる人々を主人公に、家族の絆、ほのかな恋情、少し怖ろしい妄念など、平凡な日常の中で人々が交叉するときに生まれるドラマを、名手が極上の小品に仕上げた連作集。元旦にはじまりジングルベルで終わる愛すべき十五の物語。
著者等紹介
阿刀田高[アトウダタカシ]
昭和10(1935)年東京に生れる。早稲田大学仏文科卒業。国立国会図書館勤務を経て文筆活動に入り、54年、短篇集「ナポレオン狂」で第81回直木賞を受賞。平成7年、「新トロイア物語」で第29回吉川英治文学賞を受賞
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感想・レビュー
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takaC
66
〜 母は愛す / 虫の知らせ / 友だち / 花の乱れ / 置き去り / 悪筆 / 赤い靴 / マネー・ゲーム / 偉いなあ / 闇の気配 / 真鱈 / 旅支度 / 蛇袋 / 墨の跡 / 猫の贈り物 〜 なんと初読み。なんとなく角川の『黒い自画像』に通ずる感じの短編集。しかし、読んでいる間中エンドレスで「コスモポリタン」(作詞作曲:大江千里(JOLFで再開したスーパーオフショット@4日21時に出てた))が脳内再生されていて邪魔だった。メトロポリタンとコスモポリタン、字面は似てるけど意味はぜんぜん違うのに。2016/10/04
KAZOO
38
日常の何気ないことなどをいつもながらうまく料理して楽しませてくれます。この中には15編の短編が収められていて、正月から最後はクリスマスで締められていて年間で楽しめるという工夫もなされています。私などは年をとっているせいか「置き去り」という短篇が非常に印象に残りました。またそれぞれの短篇に人間の奥底にあるものを浮かびださせるというような感じも受けました。2015/03/25
MIKETOM
6
う~ん、正直言えばイマイチかなぁ…。アイデアが枯渇し始まって四苦八苦してるところが垣間見えるところがイタイ。とまあ、そんな中で『母は愛す』イマイチ出来の良くない嫁にため息をつく毎日。そんな中である日起きた出来事。このラスト、女性軍は首肯するや否や。『旅支度』ラスト、よかったねと思わずにっこりしてしまった。『墨の跡』このラストがなんともはや…。見て見ぬふりをするのも生きてゆく知恵の一つなんだけどもなあ…。そんな中で『マネーゲーム』と『悪筆』は自作品の思い切りパクリ。ちょっとねぇ、そんなことしないで欲しいな。2019/09/18
papico
5
もう随分前に読んだ文庫本が出てきて、確かに懐かしさは感じるのに、各物語の内容がぼんやり。でも、記憶にあるのは、どれもなんかいまいちスカッとしなくて私にはまだこういう面白さを理解するのは早いのかな、と思ったこと。あれからだいぶ歳をとったから、今自分がどう感じるかに興味が湧いたのが再読のきっかけ。結果、以前読んだ時より、ずっと面白かった!歳をとるのって面白い!どの話も妙に「あーわかる」ってなっちゃう笑2023/04/22
いわたん
2
まだ読んでなかったのに自分で驚いた。 久しぶりの阿刀田高。2011/07/18
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