出版社内容情報
人生は観覧車、めぐるゴンドラ。人は他人と繋りながら生きている……観覧車からの鳥瞰の中にふと目をひいた人間模様の数々を新形式で描い十篇の連作小説集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
キー
14
街を見下ろす観覧車の近くに住む10人の男女を主人公にした、10篇の連作短編集。 10篇の主人公のそれぞれが、ご近所さんということもあり、10の短編は、それぞれの登場人物が微妙にリンクした作品集になっています。 阿刀田高作品に特有の、ブラック・ユーモア感は影を潜め、男女かんけのもつれから生まれる犯罪を描いた、割と正統派のサスペンス、ミステリー小説集になっています。 怪談めいた作品もいくつかありましたが、収録作の中でも「雲どり模様」は、妖しく美しい世界を描いた名品だといえるでしょう。2020/02/04
KAZOO
11
これも、非常にレベルの高い作品で、観覧車の見える町での出来事が収められたある意味での連作短編集です。一読するとあまり関係なさそうな話が何かでつながっているということです。そんなに怖いという感じではないのですが、男と女の絡みが多い作品集です。2014/05/13
takaC
10
うすあかり/恋の残り/拗ねた血/赤い音/梔子の便り/水ぬるむ/雲どり模様/小麦色の王妃/存在証明/雨を待つ女 (1995年10月読了)1995/10/01
MIKETOM
5
全十編の短編集。この本には面白い趣向が隠されていて、前の話にちょこっと出てきた人物が次の話の主人公になっている。これが順繰りに回っていく。その人物を探しながら読む楽しみも同時に味わえることになっている。30年以上前の本にも関わらず内容は古くない。ミステリー+男女のあれこれが描かれているが、どっちも読み応えあり。阿刀田は手練の作家だと思う。アイディア、構成、オチ、登場人物の背景にある人間そのもののあれこれを表現するのがうまい。例えプロットが平凡でも背景で読ませる。やっぱ俺のNO.1作家だね。2015/12/15
まさっぺぽん
4
期待以上の面白さで一気に読めた。昭和58年に書かれたらしいけど、ちっとも古くない。10話の短編で、前の話にちょこっと出てきた人物が次の話の主人公となっている。まさに、観覧車に乗っているような感じ。うまい。2010/07/09
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