出版社内容情報
男がいて女がいて惚れてハレて一緒になる……のならおしあわせ。ところが世の中ままならない。色と欲がからんでつぎつぎ起るブラックな事件が一ダース。こわいい
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
61
かなりブラックな切り口の12編がおさめられていました。男女の関係が軸になり、ところどころで濃厚な描写が見られますが、卑猥な印象は受けませんでした。救われないしゾッとする結末ばかりですが、切り口は鋭く面白いです。終わりのオチはあるものの、結論をきちんと描かないのが怖さを感じさせました。味わい深いホラーと言ってもいいかもしれません。2015/03/13
KAZOO
32
やはりこの短篇集作品も男と女の絡みがよく出てきます。阿刀田さんも比較的読者にわかるおちで終わらせてご自分では結論を書かない感じが怖さをプラスさせています。これもシリーズで書いているのではなく様々な雑誌に書いています。「妖虫」などは何度読んでも最後が本当に怖い。読者が自由に想像できます。2015/03/02
キー
11
このタイトルだと、ホラー・テイストの強い阿刀田高作品集のようですが、特にそんなことはなく、1977年から1980年に様々な出版社の雑誌に発表された短編を12編収録した、寄せ集め的な作品集。単行本は1980年に刊行。 12編中5編は、ホラー小説といってもいい作品で、あとは、お得意のブラック・ユーモアあり、あるいは単にブラック・ユーモアでは終わらない実験的な作品も。 特に心に残った作品は、宝くじの当たりくじが殺人にまで発展する「友を裏切るなかれ」と、屍姦を扱った阿刀田高作品にしては陰惨な「雪うぶめ」。2019/12/26
MIKETOM
8
阿刀田の初期の短編集。阿刀田本人が語ってる通り、初期の作品はいいアイディアに恵まれていた。読んでいてストレートに面白い作品が多い。『友を裏切るなかれ』大いなる幸運と大いなる不幸とふと差した魔と大いなる皮肉と自業自得による自滅がドンピシャと合致した作品。このアイディアを思いついた時に作者はほくそ笑んだに違いない。書いてる間は楽しかっただろうな。『閉じた窓』これは怖い。気が触れて窓のない部屋で独り言をつぶやく女の心境が痛いほどよくわかる。他に『雪うぶめ』『湖畔の女』『青い瞳』など、なかなかの傑作短編集。2019/03/21
takaC
8
ブラック・ユーモア一ダース(十二編)。 (妖虫/スリランカ気質/友を裏切るなかれ/進化論ブルース/結婚嫌い/湖畔の女/閉じた窓/雪うぶめ/格子模様の夜/女難/背後の女/青い瞳)1992/06/21
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- 和書
- モモレンジャー@秋葉原