出版社内容情報
小心、生真面目な中年サラリーマンの娘が妻子ある男と同棲。怒った父親は相手の男と対決するが、いつの間にか通いあうものが……
内容説明
小心・真面目なサラリーマン古田は、近く退社するという部下の女子社員と一世一代の不倫を計画していた。だが、その当日、妻が会社に来る。娘が妻子ある男と同棲を始めようとしていたのだ。「遊びか、真剣か」とつめよる古田に男は「遊びだ」とうそぶく。不倫をテーマに、微妙な人間心理と家族のあり方を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
426
残念、ノベライズ、、、苦手なんだよなぁ。そしてカタカナの多用も苦手。向田さんはなんと言ってもエッセイ。小林桂樹さんのあとがきが興味深い。今はもう鬼籍に入られた方の多いことよ。2020/01/20
優希
106
面白かったです。男女や夫婦の心の動きや家族のあり方に引き込まれました。不倫という深刻で誰も幸せにならないような恋をユーモアのある喜劇にしてしまうのが凄いです。絶妙な人間関係が味わいを出しているのだろうと思いました。2017/02/18
じいじ
103
面白い! 男の浮気心は、いくつになっても失わぬもののようだ。53歳、生真面目でお人よし、中堅鉄鋼会社に毎朝通うサラリーマン部長が主人公。初めて部下との浮気デートを企てた日に、妻が急用と称して来社。娘が妻子ある男と同棲を始めた…と告げられる。まったくもって不運な男である。不倫をベースに、家族のあり方を軽妙に描いた物語。元来が人気脚本家の向田邦子だけに、台詞は堂に入ったもの。リアルでお上手、そして面白い。2019/03/20
えみ
39
抗わないことが愛、抗ってこそ愛。同じ愛でもその性質は全く違う。妻子ある2人の男、露になる彼らの欲望。愚かが過ぎるとなぜかその本能に抗うも抗わないも滑稽に映る。真面目な会社員・古田は部下の女性に手を出そうとするが勇気が出ず、そんな自分に嫌気がさしていた。そんな時、娘が妻子ある男と不倫していることを知る。怒り狂う古田と、煮え切らない態度の不倫男、愛が全てを叫ぶ娘に本心を隠す不倫男の妻、それらを複雑な気持ちで見ている妻…独特すぎる関係が一歩引くと複雑な彼ら全員を欲に忠実な「人間」として愛らしくさえ見えてしまう。2025/07/12
Take@磨穿鉄靴
33
楽しめた。本人が書いた訳ではないみたいだけどまあ向田氏の作品ということで。シーンの切り替わりが良いとか悪いではなく自分の波長とあって気持ちよく読めた。昭和的価値観もなんだかホッとする。今のところ向田氏の本は3冊だけどハズレがないなあ。短編も良かったし少し長めでもいい。この人の中でお父さんの存在って良くも悪くも大きかったんだろうなあと思わせる。★★★☆☆2022/10/31
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