出版社内容情報
風光明媚なリゾート・ホテルの冬場の管理人にやとわれた夫妻と五歳の坊や。雪に閉され、人気ないホテルの空室にひそむ悪霊がじわりじわりと忍び寄って牙をむく
内容説明
すずめばちは何を予告する使者だったのか?鏡の中に青火で燃えるREDRUMの文字の意味は?…。小止みなく襲いかかる怪異の中で狂気の淵へと向かう父親と、もうひとつの世界へ往き来する少年、恐怖と憎しみが恐るべき惨劇へとのぼりつめ、そのあとに訪れる浄化―恐怖小説の第一人者による《幽霊屋敷》テーマの金字塔的傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
65
閉ざされた冬の巨大ホテル。そこで、ジャックは、またも過去を思い出し、鬱屈した思いから抜け出せずにいる。そのジャックの心の弱さにつけ入り、彼を狂わせていくホテルの邪悪さ。その目的がジャックその人ではなく、ダニーの「かがやき」の力を取りこむことだというのが、ちょっと哀しい。下巻は、予想通りの加速度的な恐怖と迫力だったが、ダニーを助けようとする「かがやき」を持つ者同士のつながりと愛に救われる。2016/10/28
ロア
49
うわーん。゚(゚´Д`゚)゚。ジャックとダニーの気持ちを考えると涙が止まらない。根底にあるのは父と息子の親子愛なんだよ。それをホテルが攪乱しそそのかすよ(´;ω;`)ジャックの正気と狂気が境目なく入れ替わりながら少しずつ無自覚にホテルの邪悪さに取り込まれてゆく様はじわじわ怖い(`ω´;)ウェンディがチーズオムレツを作ってスープを温めるシーンはちょっとワクワク(*´艸`)最後の資材小屋での出来事がダメ押しで怖い!そしてこの物語は新装丁版ではなく旧来のこの装丁あってこその完成形だと強く思う!(ミザリ-も!)2015/04/16
harass
48
一気に読み終わる。登場人物がよく練られていて興味や同情を引き満足のいく読後感を得られる。映画シャイニングは、父親がただの狂人になっていたのが残念極まりない。映画は映画でいいところもあるのだが。父親なりの葛藤が省かれてしまっている。恐怖や不安の心理を描くのは小説を超えるものはないと改めて感じる。キングだからこそか。上巻を読んでほかの人のレビュを見ていたが、続編が出ていると知り驚いた。成長したダニー少年の話だという(『ドクター・スリープ』)。十数年ぶりの再読だが楽しめてさすがと思わせるものがあった。2015/08/21
キジネコ
43
時の残滓、澱の底で復活を待つモノ達の棲むオーバールック、それは山間に佇むゴージャスなホテル。輝き(シャイニング)を持つ少年ダニーを得て、闇の王国完成を目指す魍魎達が雪に閉ざされた世界で蠢きを増す。ジャックの理不尽な怒りと狂気が彼らの思惑と重なるとき、美しく惨たらしい恐怖の戯曲が幕を開ける。映画とは、随分違う原作です。作家の不満もわかる気がします。物語は見事なゴシックホラー。しかし実は「愛」を問う心のドラマ。父、夫として愛の強さと力を試され 淋しさに震え揺らぎに苦しみ、背後に亡霊の視線まで感じる読書でした。2014/01/12
はらぺこ
39
もしも、こういう事が実際にあった場合はどういう風に処理されるんやろ?生き残った人が正直に事の顛末を語っても誰も理解してくれへんやろうし大丈夫なんかな?2016/09/10