文春文庫<br> だれも知らない女

文春文庫
だれも知らない女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 426p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167272029
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

アトランタ署殺人課刑事の心にとりついた美女殺害事件。生前の女の謎めいた生活、そして死体は妊娠していた。地方都市舞台の秀作

内容説明

死体となっても、彼女はなおかつ美しかった。南部の都市アトランタ、空地の夏草のかげで発見された若い女性はだれなのか?なぜ殺されたのか?市警殺人課のフランク・クレモンズの心に、その女のことがこびりついて離れない。不思議なのは、これほど人目をひく美女なのに、だれも知らないことだ。興趣つきない犯罪都市小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

64
トマス・H・クックの本を読んでいていつも 思うのは…「犯罪の影にある 人の闇のようなものを描写することに卓越した才能がある」ということである。推理小説の形態をとりながら、犯罪捜査の手段をとりながら、実は徐々に明らかになるその「人間ドラマ」を書いている…とこの本を読みながら確信した。それにしても、「だれも知らない」美女アンジェリカの性格描写は 息を呑むほど見事。とても哀しい叫びのようなものが伝わってくるような 思いがしていた。2010/05/16

yumiko

51
月一クック、今月は彼の出世作フランク・クレモンズシリーズの第一作。空き地の草陰で遺体として発見された若い女性。人目を引く美しさにもかかわらず情報は集まらない。彼女はどんな人間だったのか…。娘を亡くし妻と別れ、酒に溺れて独り暮らすクレモンズの姿はちょっと紋切り型なハードボイルド。被害者の姉に惹かれてしまう過程もよくあるなあという感じ。でも細かく巧みな人物描写は流石。都市に住む人々の虚無感は、少しロス・マクドナルドを思い出した。心の襞の奥に深く分け入るような筆への変貌をこの後も追いかけたい。2016/03/29

sine_wave

8
アトランタ署の警部補クレモンズのシリーズの一。若い美人のアンジェリカが殺され、クレモンズはケーレブとともに捜査を開始する。アンジェリカのことを姉も含めて、誰もよく知らない。しかし、クレモンズはねばり強く捜査を続ける。結局画家仲間が関係することをつかむ。事件の展開より、心理描写に深さを感じられるので、そう思って読むべきなのだろう。2020/11/19

ワット

6
これだけ構成がしっかりしていて面白く、テンポの良い警察小説には、なかなか感想など述べれない。一気読み。楽しめた!!2019/11/10

Ayah Book

5
この人の本はとんでもないものもあるけど、これは読みやすい。気だるい、古き良きハードボイルドといった雰囲気。2016/01/14

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