文春文庫
海辺の小さな町

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  • サイズ 文庫判/ページ数 345p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167259136
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

親元から離れ、大学生活を海辺の町で始めることになった佐伯雄二。合格祝いとして父から贈られたカメラをきっかけに、新生活は写真を中心に回り始める。明るく柔らかな光と風の中で展開する友情と恋、そして両親の秘密―。新しい世界を得て成長する一人の青年の四年間を爽やかに描いた、長編青春物語。

著者等紹介

宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
昭和20(1945)年、蒲郡市に生まれる。早稲田大学文学部卒。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事、創作をはじめる。その後帰郷、ながい空白ののち、「王家の風日」を完成。平成3年、「天空の舟」で新田次郎文学賞、「夏姫春秋」で直木賞、「重耳」で平成5年度芸術選奨文部大臣賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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遥かなる想い

84
かつて、カメラが趣味だっという宮城谷昌光の青春小説。歴史小説以外の分野でも、清らかな文章を書くという読後感を覚えた。2010/06/12

翔亀

45
中国歴史小説の作家の珍しい現代青春小説。親元を離れ地方大学に進んだ男子学生が就職するまでの4年間は、実の親探しというドラマが含まれるが、恋愛/学業/趣味にそれなりに打ち込む平均的なみずみずしい大学生活だ。ただ一点、趣味が写真ということを除いては。著者は、作家を志していた一時期「5年間、寝ても醒めても、写真のことばかり考えていた」。カメラ誌を全て定期購入して月例コンテストに応募するという打ち込みだったという。「アサヒカメラ」に連載されただけあって、撮影術も本格的なカメラによる自己形成ロマンとして楽しめた。2015/01/02

なゆ

13
東京から豊橋あたりの大学へ進学した雄二の4年間のお話。カメラのことも写真のこともよくわからないので、そういうものなのかと想像しながら読みました。アサヒカメラ掲載の小説と知り納得。宮城谷さんは現代小説でも文体は変わらず、目で見ているのか心で見ているのか、人物の表現の仕方も独特。淡々と流れて行く話ですが飽きず、穏やかに読めました。2016/02/24

秀玉

12
カメラ、撮影とは、熱意とは、今の自分はカメラに情熱はあるのか。を知りたい、思い起こしたくて手に取った。カメラはデジタルだが、20台程を買ったり、売ったりして、今手元に三台あるが、一番小さいキャノンGX9以外は1年以上触っていない。小説だが甘いも辛いも知った壮年が大学生を主人公に感情移入した小説。当然主人公に若さは感じないがそれで良いと思う。今全盛のラノベ青春ものにない懐かしい味わいがある。青春の恋描写が昭和なのだ。源氏慶鶏太さんの恋話を思い出す。カメラはというと、主人公は「写真が遠い」と言われる。なるほど2024/05/11

フリル

5
父親から大学入学祝にプレゼントされた一眼レフ。写真は撮るのも見るのも興味がなかった雄二が海辺の町で過ごした4年間、様々な人との出会いや写真を通して成長する姿と淡い恋もありで爽やかな青春小説でした。私が三脚を担いで一眼レフを首から下げて写真に夢中になってた頃、お気に入りの写真館で焼きあがるのを楽しみにしてた頃を思い出して懐かしかった。今はスマホで気楽に綺麗に撮れてしまうけど、フイルム、フィルター、レンズを選んで撮った写真はずっと宝物です。2020/08/20

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