出版社内容情報
馬に関する珍本奇本、文学の中の馬、正統馬術の神髄から落馬史まで、「夕鶴」の著者が、うんちくを傾けて書き綴った傑作エッセイ集
内容説明
壮絶なディレッタンティズム、と読書界を驚倒させた天下の奇書。正統馬術の神髄をきわめるSK先生をめぐる、様々なエピソードにはじまり、馬に関する珍本奇本、シェイクスピアや漱石の文学と馬の関わり、美術品としての馬、大日本落馬史など、「夕鶴」の著者がうんちくを傾けて書き綴った傑作エッセイ集。読売文学賞受賞作。
目次
1 馬術名人SK先生外伝
2 馬書を読む
3 馬雑纂
4 馬に乗ること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七六式
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馬といえば競走馬を連想することが多いと思いますが、オリンピックなどで話題に上がることもあるように馬術競技というものがあります。本書はその世界について書かれた一冊で、馬術の概説、昭和の達人の逸話、近代以前の日本の伝承の考察、馬術書について等々、文庫本のサイズに比して充実の内容は未知の世界を覗き見るのに十分な読み応えといえるでしょう。例えば競走馬が引退して馬術に行くことがありますが、馬術の世界では血統は問題ではなくあくまで馬をコントロールする人間の技量が問われるそうで、そういう関わり方もあるのですね。