出版社内容情報
失意のうちにギリシアで酒浸りの日々を過ごす中年男ハリーの前に現れた美女は山で失踪。"善意の恐ろしさ"を活写する待望の作
内容説明
讒言で会社を追われ、元の部下で現国防次官ダイサートの世話でロードス島の別荘番として酒と倦怠の日々を送る中年男ハリーの前に現れたのは清楚な娘ヘザー。ギリシャの風に吹かれる夢のような毎日。だがヘザーの突然の失踪。なぜなのだ?苦しい疑問を解くべく祖国イギリスに立ち帰ったハリーを待ち受けていた大いなる陰謀。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
78
突然失踪した娘は、一体どこに行ったのか・生きているのか…という設定は ミステリーの 一つのパターンだが、本書はそこから万華鏡のような交錯する世界が広がっていく。それにしても、本書の終わりは、とても哀しく息を呑むようだった(1998年このミス海外6位)2010/06/06
アヤネ
5
ギリシャ・ロードス島。清楚なイギリス娘ヘザーが突然謎の失踪?中年男ハリーが謎を追う。。。ダメダメ中年男のハリーだが、何度も挫折しそうになりながら頑張る姿につい応援。ハリーは友達だと信用してる政治家ダイサート。なんか臭うなぁ~。今まで苦労調べたこと、全部報告しちゃっていいのかなぁ。でもま、ハリーだし。下巻へ。2014/07/22
コットン
4
さえない中年男性が主人公というだけで親近感あり。ダメ男が謎解きで大活躍!2012/04/10
kanamori
3
☆☆☆2020/04/27
るな
2
20年前に読んだゴダードの「闇に浮かぶ絵」は、謎めいたストーリー展開に惹き込まれる印象深いミステリーだった。しかし、後年のゴダードは、プロットが粗雑になり、かつての精彩を欠いてしまう。初期作品なら良質なゴダードに逢えるような気がして「闇に浮かぶ絵」に次ぐ4作目を読む。たぶん、本作あたりから作風が変わり始めたのではないだろうか。前作のゴシック的な雰囲気を捨て去り、ハードボイルド風になっている。それに、回りくどい心理描写が多くて文章が読みづらい。いったい誰が敵で誰が味方か分からない謎の真相に迫る下巻に期待。2019/11/11