出版社内容情報
足利銀行二億円詐取事件の女子行員、冤罪の父を支え続けた娘など六つの事件の女性を追い、人生の重さを伝える迫真のルポルタージュ
内容説明
事件の当事者として世間から〈烙印〉を押された女たち。複雑な事情や秘めた思いは切り捨てられたまま、世間はいったん押した〈烙印〉をしつこく忘れない。足利銀行二億円詐欺事件の女子行員、有名俳優Mの離婚裁判、嬰児殺しの若い完璧主義の母親等六つの事件の女性を追い、様々な人生模様を抉り出した迫真のルポルタージュ。
目次
烙印のおんな―序にかえて
消えた少女―少女誘拐・殺人事件
貢ぐ女・貢がす男の図式―足利銀行・二億円詐取事件
愛憎ドラマの果て―俳優M離婚裁判
母性と殺意の間―子棄て・子殺し事件を考える
錬金術師にされた女―歌手K/殺人・死体遺棄事件
おんなの荒野―冤罪の父と生きた女の旅路
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
12
「男子ははぢに命をすて女人は男の為に命をすつ」という先人の言葉を思い浮かべる。再ヒットを夢見て、散々貢がせた女性が邪魔になり、絞め殺した克美茂。女性は、ただただ克美を愛し、克美の妻になりたかっただけなのに、死後、マスコミや司法によって克美に付きまとう悪女扱いされる。著者は、女性よ強くあれと叫ぶ。更にいうと弱い女を嫌悪する。男に蹂躙される歴史に終止符を打ちたいためだろう。なお、克美は殺人を犯しながら、出獄後芸能界復帰。時代を感じる。今は酩酊状態で女性を平手打ちし、芸能界引退。これが正常である。2019/04/22
pantyclub
0
古い本ですが当時の時代背景が良く分かる。大変興味深い内容だった。女性の弱い立場を感じることができる。身勝手な男性がそこに存在していた。被害者に対する考え方が特にひどい感じがする。特に芸能人の殺人事件は身勝手極まり無い内容。10年程度で許されて良いのかと思った。結局、誤ちを犯しても反省して無いと思う。人は変わらないのかと思う。2023/04/27