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文春文庫
ふたりの山小屋だより

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  • サイズ 文庫判/ページ数 265p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167237066
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

昭和の初めに学者達がつくった群馬県の高原の村。物心つく前から姉妹は両親に連れられ、その村で夏を過ごしていた。今、姉は父の残した山小屋に定住し、妹も仕事の合間に村を訪れる。木々や草花、野鳥、野生の小動物…都会とは違った時間が流れる山小屋生活をエッセイと日記で綴る。幼なじみ谷川俊太郎氏との座談会も収録。

目次

1 エッセイ(六里ケ原の話(衿子)
村の動物たち(今日子))
2 日記
3 座談会―故郷の大学村(谷川俊太郎・衿子・今日子)

著者等紹介

岸田衿子[キシダエリコ]
詩人、童話作家。劇作家でフランス文学者の岸田国士氏の長女

岸田今日子[キシダキョウコ]
女優。岸田国士氏の次女。「文学座」「雲」を経て現在、演劇集団「円」に所属。舞台に加え、映画やテレビ出演も多い。テアトロン賞、ブルーリボン賞助演女優賞、毎日映画コンクール助演女優賞などを受賞。著書『妄想の森』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

61
絵本作家・岸田衿子さん、女優・岸田今日子さん姉妹の北軽井沢の別荘で過ごした戦前の少女時代の思い出や、戦後の娘時代の話、大学村と呼ばれた別荘地での交流など。ジメジメと蒸し暑い大阪で過ごす中、夏の暑さを忘れたいと読み始めたものの、爽やかな高原の空気を想像するだけで羨ましさにクーラーのスイッチを入れずにはいられなくなってしまった。2017/08/02

ぶんこ

45
旧軽井沢近辺の、いわゆる別荘地軽井沢とは違って、法政大学の先生たちによる大学村で、軽井沢から1〜2時間くらいのの距離。文中に(お池)と言われていた人造湖が(照月湖)と分かって、やっと地理が頭に入ってきました。戦中戦後の軽井沢での若者たちの楽しみ方が手に取るように伝わってきます。谷川俊太郎さんが対談で、軽井沢社交界デビューと言われていたように、お金持ちの別荘族ではないものの、やっぱり庶民の夏休みとはかけ離れていました。衿子さんや今日子さんの娘世代は、こういった楽しみ方はしなくなったそうです。2016/07/14

わんつーろっく

21
戦前から夏は北軽井沢で、こども時代を過ごしていた岸田姉妹の当時の村の様子、学生時代の日記、そして衿子さんの前夫でもある谷川俊太郎との座談会では、俊ちゃんなんて当時の呼び名で思い出話が語られる。お仲人が三好達治だったとか、野上弥生子や大岡昇平、三島由紀夫をはじめ、山小屋で過ごす今日子さんの劇団仲間達、もう大物すぎて白黒写真に見入ってしまう。この世でいちばんのろいーと信じられていた草軽電鉄から、まどろっこしいと飛び降りた逸話がある父を偲びながら、静かな北軽井沢の夏を夢想した。2023/09/20

青龍

14
図書館本。お二人のほか、この本にお名前が出てくる方、ほとんどが鬼籍に入られている。話に聞いただけの軽井沢の軽便鉄道だけでなく、横川~軽井沢間も廃線となり、軽井沢近辺も様変わりしている。この山小屋の現在はわからないけど、お二人が過ごした静かな時間が、行間に溢れている。2018/10/15

sasa-kuma

14
岸田今日子さんの声が好き。穏やかで、それでいて色気のある声。(ムーミンも)文章もかなり書いていらしたのですね。他のエッセイも読んでみたい。衿子さんは、「新婦人」という古い雑誌(アートディレクターを宇野亜喜良が担当。ほかに深沢七郎、澁澤龍彦などが連載を書いていたとても魅力的な雑誌)で初めて知って以来ちょこちょこ読んでいる。武田百合子を上品にしたような印象。『アルプスの少女ハイジ』『フランダースの犬』などの主題歌の作詩もしている人。しなやかな強さをもった人という印象。2015/10/24

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