文春文庫<br> 天智帝をめぐる七人

文春文庫
天智帝をめぐる七人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167224233
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

蘇我入鹿暗殺から壬申の乱前夜まで──実妹を愛し、弟の妻を娶った策士・天智天皇をめぐる濃密な人間模様を描いた傑作古代短篇集

内容説明

蘇我鞍作(入鹿)暗殺―主謀者の中大兄皇子(天智天皇)は叔父の軽皇子を天皇にたて、自らは皇太子として実権を握る。実妹・間人皇女との禁断の愛を貫き、弟・大海人皇子の美貌の妻・額田女王を奪った男…華奢な外容に冷酷な本性を秘めた策士が生きた修羅を、七人の視線を通して濃密に描く、連作歴史短篇集。

目次

風鐸―軽皇子の立場から
琅〓―有間皇子の立場から
孔雀―額田女王の立場から
華鬘―常陸郎女の立場から
胡女―鏡女王の立場から
薬玉―中臣鎌足の立場から
白馬―鵜野皇女の立場から

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

76
蘇我鞍作(入鹿)暗殺に始まる大化の改新から、天智天皇の死後巻き起こる壬申の乱までの間、天智天皇にまつわる7人がその視点から見つめた古代小説。この時代のものはずっと以前夢中になって読んだ。特に黒岩重吾さんや永井路子さんの物が多かったけど…結構相関図は忘れているものが多かった。兄弟姉妹、親子それぞれは覚えているが、妻であり姪、兄弟であるが義理の親子、姉妹揃って妃になるとか、近親婚は利害関係もある当たり前だったのでその複雑さに何度も相関図を見直す。大海人皇子と大津皇子が好きなので幼少の大津皇子の登場に興奮した。2019/06/17

ワッピー

35
読み友さんの感想から。斉明紀に頻発する怪異の背景を知ろうと手に取りました。乙巳の変の立役者・中大兄皇子を軽皇子・有間皇子・額田女王・常陸郎女・鏡女王・中臣鎌足・鵜野皇女の視点から多角的に描いた政争・人間関係ドラマ。これまで歴史上の記号でしか知らなかった当時の宮中人の感情・思惑が生々しく伝わって来ます。そして最後の白馬のシーンは血塗られた政争劇の幕引きとして見事なエンディングだと感じました。この時代についてまだまだ知りたいことはいっぱいありますが、時代背景や権力構造を俯瞰できるすばらしい小説でした。2023/04/29

ナオデラ

9
大化改新から壬申の乱まで。蘇我氏、中臣鎌足、額田女王、中大兄皇子、大海人皇子血縁関係入り乱れる時代をそれぞれの視点から解りやすく、尚且つ情緒豊かに描かれている。宇宙皇子地上編を読んだ後だったので人物像も飲み込みやすかった。2015/03/09

Mana

7
蘇我入鹿が倒されるところから、中大兄皇子が死んで大海人皇子が吉野に隠居することところまで。新羅との戦争とか、近江に都ごと避難するエピソードとか面白い。近江はあななたたちのひいひいひいおじいちゃんくらいの継体天皇の出身地なんだから、そんなに嫌わなくてもとか思っちゃった。落日の王子と一部登場人物が被るけど、人物像が違って描かれるのも読み比べてみて面白い。宝皇女はこっちの方がエゴが強くて面白い。常陸娘は大津皇子と結婚した山辺皇女の母親。欲のない感じが天上の虹の山辺皇女に似てる。逆に姪娘はキツい感じになってる。2020/12/05

秋乃みかく

7
★★★★☆ 再読。蘇我氏打倒のクーデターから天智帝の死まで、天智帝(中大兄皇子)と関わり合った7人を描いた連作短編集。中大兄に利用されるだけ利用されて哀れに死んでいった孝徳天皇、謀反の罪をきせられ殺された有間皇子、大海人の妻から中大兄の妻になった額田女王などなど、やっぱりこの時代は面白さてんこ盛り!!この本で描かれる天智帝は「冷酷」の一言ですが、でもそれが古代史ファンとしては魅力的でもあります(*^^*)とても手堅く丁寧にまとめられた印象の一冊でした(^^)2014/09/02

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