出版社内容情報
ジキル=ハイドの人格分裂に苦しむ姿をメイドのメアリーは見ていた!引き裂かれた恋情と変身の戦慄、そこに根源的な哀しみが
内容説明
ある日ジーキル博士は召使を集め、こう言い渡した。「これより研究助手としてハイド氏を屋敷に迎える。彼の要望は私の命令として聞くように」と。住みこみのメイドとして仕えるメアリーは畏怖と敬慕のないまぜになった目で博士を見つめ、恐ろしい真実につきあたり、克明な日記を残した―スティーヴンスンの名作にあらたな光を当てる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きたくり
1
映画の原作。主人公メアリの手記という形なので、映画では口数少なかったメアリの心情がより詳しくわかる。ラストは映画のほうが好きですが・・・。原作にしかない最後8ページの「後期」(メアリの日記を入手した人物による)は読んでいてゾクゾクワクワクする・・・物語がさらに広がってゆく感じ。2017/02/21
赤井流久
1
☆☆ 古典である「ジキルとハイド」の内容を、読者が知っているとの前提での作品だと思うが、その割には展開が実にまどろっこしい。好意的に捉えれば、当時の世相や習慣を丁寧に描写しているということになるのだろうが、当時のネビュラ賞候補になっていたからという理由で読むことにした自分にとっては、思惑違いは否めない。 大好きなJ・ロバーツで映画化されているので、いずれは見たいところだが、この頃の彼女の作品は外れが多かった記憶があるので、過度な期待は禁物だろう。2014/06/24