内容説明
惜しんでもあまりある、この作家。その六十九年の生涯と作品の魅力をあますところなく一冊に。丸谷才一、井上ひさしの弔辞から、昔を知る縁の人々の声、各界著名人のエッセイ・対談等に作品リスト、年譜、未公開写真、俳句までも収録した、愛読者のための完全編集版。“藤沢周平の遺した世界”を堪能し尽くす文芸読本である。
目次
1 別れ
2 周平さんと私
3 藤沢周平が遺した世界
4 半生を紀行する
5 藤沢作品と私
6 藤沢さんを語りつくす
7 藤沢さんの頁
8 藤沢さんへの手紙
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
56
69歳で早世した作家・藤沢周平の偉大な足跡を偲んで編集された一冊。年譜によると、昭和2年山形県生まれ。平成9年死去。69冊の長・短編を残してくれた。藤沢周平の凄いところは、どの作品も読み手に感動を与える名作ばかりであるところだ。その業績を惜しみ称える著名人の一文が寄せられている。長女遠藤展子さんの「父との思い出」が、親子でしか書けない話で印象深い。田辺聖子が面白い。「藤沢さんの小説はいったんハマると脱けられなくなり、やめられない・・」ユーモアたっぷりで一読の価値ありです。藤沢周平をもっと知りたい人の本だ。2015/11/14
ばんだねいっぺい
31
各人による追悼・追想、作品の評価、解題などなど。御本人のエッセイも収録。山形旅行で記念館に行ったことが 思い出された。「一茶」と「漆の実みのる国」を読んでみようかな。2022/11/03
tu-bo@散歩カメラ修行中
28
藤沢周平 入門として読んでもよし、藤沢周平ファンが、読んでもよし。わざわざ本屋さんで注文した価値がありました。意外と言っては失礼ですが、この人の文章は、情景が目にくっきりと浮かぶ。今までに開高健で経験して以来の印象でした。蝉時雨ともう一冊読まなくてはと思いました。<(_ _)>2015/12/13
Syo
20
びっくりするほど 藤沢周平作品を 読んでいないんだけど…。2020/10/29
アルプスの空♪
14
「どなたの作家が好きですか?」と知的で控えめな60代くらいのご婦人に尋ねたことがある。答えは「藤沢周平です」と答えられて、私としては気にかかっていた作家です。”そのすべて”ですから迷わず購入!!笑 本を数行読んで、自分の本棚にまっしぐらに走ったことは間違いない・・・・残念なことに「蝉しぐれ」くらいはあるだろうと思ったけれど一冊もなかった。題名どうり藤沢ワールドの魅力を事細かに教えてくれる。後のほうには随筆もあり、年表もあり、全作品リストもあり、盛りだくさん!!2010/08/29