出版社内容情報
悪夢か、それとも現実なのか──カポーティ、江戸川乱歩、澁澤龍彦、夢野久作、半村良など、奇妙な味わいの傑作短編を多数収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイカラ
32
『たんぽぽ娘』目的で読んだけれど、想像以上に上質なアンソロジーだった。不思議な話、不気味な話、怖い話、色々と揃っていて満足。中でも津山紘一の『時間をかけた料理』に出会えたのは僥倖だった。2016/04/22
kochi
21
怪奇小説でも恐怖小説でもない「奇妙」な味わいの東西(日本のものが多いけど)の短編小説のアンソロジー。小説の合間に、ちょっと怖い怪談風の話や警句が挟まれ、本自体奇妙な味わいではある。谷崎、芥川や夏目漱石の短編、つげ義春のニャンコまで含まれていてお得。津山紘一と澁澤龍彦が拾い物であった。「たんぽぽ娘」のおかげか、Amazonでも2万円の値がついているけど、探せば図書館にありますよ。2012/10/07
しゅわ
16
【図書館】「ビブリア古書堂の事件手帖3」で気になった『たんぽぽ娘』が読みたくて…図書館で探し回り本書を発見♪ あれだけ見事なプレゼンをされたら、読みたくなる人が多いと思うのに…今は絶版なんてもったいないですよね。ほかも短編集だから気軽に読めるものが多いです。不思議なテイストのものから、ちょっとこわい感じのもの、奇妙な雰囲気で個人的には???なものまで…いろんな物語が楽しめる一冊です。2013/02/12
Ayah Book
9
タイトル通り奇妙な話を集めたアンソロジー。半分くらいまで読んで、あまりピンとこなかったが、後半に収録されている作品は概ね気に入った。江戸川乱歩さんの「防空壕」は既読だが笑えるし、津山紘一さん「時間をかけた料理」とつげ義春さんの「猫町紀行」はほのぼのして良い。伊藤人誉さん「穴の底」は絶望的に怖い。澁澤龍彦さんの「花妖記」、期待を裏切らない耽美かつ狂人の恐ろしさ。2020/02/25
tomi
8
初版'93年2月。「ビブリオ―」で収録作のヤング「たんぽぽ娘」がネタになっていたので本棚の奥から引っ張り出してきた。昔一通り読んだつもりだったのだが、一番の驚きは去年ちくま文庫「名短篇ほりだしもの」で初めて読んだと思っていた伊藤人譽「穴の底」が収録されていたこと(笑)。比較的最近読んだ作品は飛ばし読みで、今回読んだ中のベストはチャペック「足あと」。不思議な足跡をめぐる警官とのやり取りが何とも可笑しい。2012/08/10