出版社内容情報
結ばれぬ恋、せつない愛、ひとつ屋根の下の夫婦の怖さ、滑稽さ。男と女の"縁"の不思議をテーマに古今東西の傑作短篇を多数収録!
内容説明
80年前に生きていた娘に恋した青年、故郷を訪れて見つけた昔書いた恋文、15年ぶりに会った男女の束の間の逢瀬―野上弥生子、福永武彦、菊池寛からグリーン、ハーディまで、男と女のせつない出会いと別れ、夫婦の怖さ滑稽さを描く古今東西の傑作短篇を多数収録。愛されるより愛したくなる好アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
106
【直木賞】堤千代「小指」を所収。「オール讀物」昭和14年12月号掲載。「オール讀物」平成元年3月臨時増刊号直木賞受賞傑作短篇35にも掲載しているとのこと。2014/03/19
N田
8
25年前のアンソロジー。実に良いセレクション。加藤武雄は凄かった。小林多喜二よりよっぽどプロレタリアだぞ。Wiki見たら戦意高揚文学加担ということで共産党文壇にdisられている。低脳だなあ。シャルル・ルイ・フィリップも良かった。こゆのを読書会で取り上げて欲しいんだけどなあ。みんな、権威主義者だから、ムリか。2016/07/07
Toshi
3
桜庭一樹さんの本にこのアンソロジー集は凄いと紹介されてた。古今東西の純文学作家や大衆作家の短編アンソロジー。確かにどれも高クオリティーでびっくり。2018/01/02
くさてる
2
愛をテーマにしたアンソロジイ。広いテーマだけに、粒揃いだったが、菊池寛「ある恋の話」が、時代を超えた普遍的な感情を扱っていて新鮮な驚きだった。真鍋呉夫「ソラキガエシ」も底知れぬ不気味さをたたえた夫婦関係を描いている。とりわけ印象的だったのは、堤千代「小指」。両腕を切断する青年将校と、手術の前に彼の手を握って欲しいと頼まれた若い芸妓の短すぎる関わりがせつなく、けれどどこか狂気じみていて、怖い。でも、美しい愛のお話だと思った。2013/02/20
黒い森会長
1
199年11月刊。短編13編。2010/10/05