内容説明
女が国を動かす!ときには男ではなくひとかどの女たちが、大胆に、情熱的に、歴史の舞台で活躍している。クレオパトラ、エカテリーナ二世、カトリーヌ・ド・メディシス、ポンパドゥール夫人、アグリッピナ、則天武后ら三十数人のスケールの大きな人生を、史実をもとに描きなおす。
目次
女が国を動かすとき(アグリッピナ―暴君ネロを生んだ過保護ママ;エレオノール・ダキテーヌ―十字軍遠征で運命変る ほか)
東洋の名花はサディスト!(呂后―ライバルを総括;則天武后―中国たった一人の女皇帝 ほか)
伝説と神話のヒロインの正体(トロイのヘレン―美しすぎたばっかりに;エレクトラ―不倫の母に燃やした執念 ほか)
上流社会に咲いたあだ花(クレオパトラ―鼻はさほどに高からず;楊貴妃―美女をめぐる不思議な真実 ほか)
ペンを片手に大奮闘(サッフォー―レズの元祖に偽りあり?;エロイーズ―恋文ベストセラーの修道尼 ほか)
夫を売り出すテクニック(コンスタンツェ・モーツァルト―天才に愛された悪妻;マーサ・ワシントン―おかみさんトップレディー ほか)
著者等紹介
永井路子[ナガイミチコ]
大正14(1925)年、東京に生れる。東京女子大学国語専攻部卒業。小学館勤務を経て文筆業に入る。昭和40年、「炎環」で第52回直木賞受賞。57年、「氷輪」で女流文学賞受賞。59年、第32回菊池寛賞受賞。63年、「雲と風と」で吉川英治文学賞受賞
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感想・レビュー
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優希
45
女性たちもときには歴史を動かしていたのですね。悪女、烈女。貞女と様々ですが、人生のスケールが大きいです。世界史を彩った女性たちという切り口で語るというのが興味深いですね。2023/02/11
びっぐすとん
13
『歴史をさわがせた女たち日本編』を読んで女は怖いと思ったが、外国編を読んで日本の女はまだまだ温いと痛感。外国の女は桁違いだ。もし日本人の悪女がその場に居合わせたとしたら「そこまでしなくても・・」とドン引きしそうだ。日本の殿方、もっと日本人女性を大事にしましょう。異国の美女にうつつを抜かしてると怖い目にあうかもよ。
安芸あずき
9
なかなか面白かったが、永井路子さんは長編でこそその文章の真価を発揮して、こういった短い文章は中野京子さんのほうが上手いように思う。ソクラテスの妻が出てこなかったのが意外。彼女は歴史を騒がせてはいないのかもしれないが。2014/05/16
京橋ハナコ
4
再読。のはずなんだけれど、大分忘れてます。なんでだろう。日本篇は覚えていたのに。でもそのお陰で初読のように読めた。恥の概念が違うからかそれは評価の対象なのかと言うこともあるが、強い女性たち。世界史は詳しくないので彼女たちの生きた時代背景が分かりづらかったのが残念。もちろん私の問題。2015/08/31
なぁ
4
30年経た今もとても印象に残っている本です。特に自分の子供を人質に取られ、脅かされても動じない女の逞しさが素敵でした。日本編に比べたら、外国編の女たちのなんと逞しさにほれぼれしてしまう作品です。最近再読しましたが、感想にブレはありませんでした。