出版社内容情報
「おおうつけ」と呼ばれた青年大名・織田信長との運命の出会い。「組織」をキーワードに、秀吉の戦国五十年を描く『新・大閣記』
内容説明
「信長様は常識では計れぬ神様じゃ」。サルと呼ばれた少年と戦国の改革者・織田信長との運命的出会い。桶狭間の合戦に勝利を収めた信長は楽市楽座を実行し、兵制を改めて鉄砲、足軽を積極的に取り入れ、構造改革を推し進める。これこそ、それ以降の戦国後半期を主導する「1560年体制」の根幹を成すものであった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フミ
18
昨年読んだ「峠の群像」が面白かったので、同じ堺屋太一さんの描く「信長の社会改革」が読んでみたくて手を出しました。ほぼ、同じ時期に織田信長に使えることになった「藤吉郎」と「がんまく」、2人の人生を通して、統一期の戦国時代の社会を描く感じです。 家督相続当時の信長が「先例がありませぬ」「勘十郎信行様の方が…」と、かなりヤバかったのを実感したり、出世は出来ても、支えてくれる血族の居ない秀吉の苦労をしみじみと感じたり。「がんまく」の人生の行方が興味深いですね…まさか「そっち方面」にハマると思いませんでした(笑)2025/06/25
Ryuji
4
★★★★☆これだけ戦国期の小説を読みながら、豊臣秀吉を主人公とした小説は司馬遼太郎さんの『新史太閤記』しか読んだ事がありませんでした(秀吉が嫌いという訳では全くないのですが・・)。第一巻は秀吉の少年期から墨俣築城まで。堺屋太一 さん特有の解説(政治・経済)が随所に入りなかなか面白い。読んであらためて思うのは秀吉は信長がいたからこその人物だという事。信長がいなければどこかに埋もれたままになっていたのだろう。またどこまで史実なのか分からないが、石川五右衛門との関わりがまた良い。2014/01/25
shimachaaaaan
2
一巻では、墨俣一夜城まで。とにもかくにも、経済的観点から安土桃山時代を描いているのが素晴らしい。また、秀吉の生き方については、現代のビジネスマンに通じるものが多数ある。読んでいて楽しいのは、槍働きだけでなく、補給や築城や、情報収集等、表には出ないが必要なことに対して、秀吉は抜群の働きをみせていたこと。何よりも情報収集は当時でもとにかく大切だったことがよくわかる。現代では情報が溢れている時代という。求められるのは、情報を取捨選択する目利きだろうか。ただ、信長の様な社長がいたからこそ、秀吉は出世できたんだな 2017/07/17
9rikaz00
1
経産省出身の堺屋太一は、ことあるごとに藤吉郎と織田家が置かれている立場を戦後日本と重ねて描写する。戦後の闇市から立ち上がり功成り名遂げる少年を、出世譚の象徴である豊臣秀吉に重ねるのは、堺屋自身の見てきた戦後日本の復興と高度経済成長へのノスタルジーもあるのだろう。いま現在からは想像もつかないような、明るく前向きな時代が日本にもかつてあったことを思い出させる。2020/04/13
caramelscratch
0
「どんな手を使おうが、どんな人を相手にしようが、とにかく、世をはばかることなく見せびらかせるものでなければ、大きくはなれない」(p19)2012/12/11
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