出版社内容情報
その呪力ゆえに、孝謙女帝の信頼を得て、太政大臣禅師、法王と異例の出世をとげた怪僧道鏡の生涯。政争と天皇の愛を描く王朝ロマン
内容説明
寝具に包まれた孝謙女帝の身体が動いた。「道鏡法師、眠れぬ、朕の手を法師の大きな掌で包むのじゃ」。時の最高権力者、藤原仲麻呂の首級をあげた女帝は道鏡を法王に就かせ、天皇位まで譲る決意を固めた…。公人と私人、政治と恋情のはざまで身を焦す二人。人間の不易を哀歓の情こめて映し出す迫真の歴史絵巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はちこう
16
登場人物の名に馴染みがなくかなり難解な内容ではありましたが、宇佐八幡宮神託事件のくだりあたりからはほぼ一気読みでした。この事件を扱った司馬さんの「街道をゆく34」も読み直してみました。神託に従うわけにはいかないと思った和気姉弟による勇気ある行動だったとする説が有力と思われますが、真相は藪の中ですね。この事件の前に「藤原仲麻呂の乱」があって、孝謙天皇と仲麻呂がともに藤原不比等の孫で、孫同士の争乱があったことも知りました。不比等の孫、藤原仲麻呂に俄然興味が沸いてきました。2026/09/20
BIN
9
下巻の前半は藤原仲麻呂VS女帝&道鏡の権力闘争、後半は法王そして天皇位へと突き進むも、一貫して女帝との純愛っぷりは半端ない。ここまで愛し愛されたらもう好きにさせてやってくれといいたくなります。よくあることですが道鏡以外の弓削一族は小物だったのは痛い。この道鏡は野心あふれる白い道鏡で面白かったですが、次はどす黒い道鏡も読んでみたい気がします(あるかな?)。もしくは格好いい爺である吉備真備ものも読んでみたい。2016/02/13
くっちゃ
7
宿敵仲麻呂を倒し、遂には法王にまで上り詰めた道鏡。だが権力欲には限りというものがなく、道鏡はそうなることを恐れつつも天皇位までも望んでしまうようになる。そして女帝を愛しつつも、彼女と供にいることに慣れてしまい、かつてのような雲の上の人物に手が届いた悦楽感も無くしてしまう。しかし清麻呂により神託を否定され、天皇位への野望が露と消えた時、道鏡に残されたのはただ1日も長く女帝との一時を過ごしたいという思いだけだった。確かに迫る破滅を前に道鏡が辿り着いた境地。彼が真の意味で俗人を超越した瞬間に深い感動を覚えた2017/09/12
大阪魂
6
道鏡ってもっと悪いやつとおもてたんやけどなあー天皇とか法王とかも孝謙称徳女帝との愛やからゆわれたら、そうかなあっておもてしもた!でも、歴史の勉強もそーやけど、藤原仲麻呂とか吉備真備とかの動き方、むっちゃ勉強になるわー世の中なるようになるけど、大事なところは時の流れをしっかりおさえとかんと、一瞬見逃しただけで転がり落ちてくんやねー(>_<) また古代史楽しみにしとこ2016/07/17
あっき
5
道鏡と女帝両者にとってお互いが尊い存在で心から敬愛しあっている関係が素敵でした。じっくりゆっくり読んだせいか入れ込みすぎて二人の純愛っぷりに不覚にも涙が…。野心はあるものの、世に言われる女帝を誑かした妖僧なんてのは本書にはいません。フィクションだとわかってはいても、実際の道鏡もこんな人物だったらいいのになーと夢見たくなっちゃうくらい魅力的な人でした。しかし、神託とか瑞祥ってここまで作為的でインチキくさいものだったんですねーちょっとびっくり。2016/02/04




