文春文庫<br> 巨船ベラス・レトラス

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文春文庫
巨船ベラス・レトラス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 250p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167181178
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

『大いなる助走』から四半世紀、巨匠・筒井康隆が再び文壇の内幕を描く! 前衛的文芸誌「ベラス・レトラス」に集う作家たちの命運。

『大いなる助走』から四半世紀、巨匠・筒井康隆が再び文壇の内幕を鋭く描く! パソコンソフト会社を興して成功した狭山銀次が創刊した、前衛的な文芸誌「ベラス・レトラス」。破格の原稿料に釣られ、常連執筆者となった作家たち。実験的な作風で知られる錣山兼光、ホラー小説の旗手・伊川谷幻麝、盲目の詩人・七尾霊兆、革新的な作品で派手に登場した笹川卯三郎……。そうした作家たちの成功を妬む同人誌作家が爆弾テロを起こすところから物語は始まる。小説世界の内と外は自在につながり、過激なメタフィクションが展開、ついには「筒井康隆」を名乗る人物が語り始める。現代の文学を取り巻く状況を風刺する、ブラックユーモアに満ちた快作(解説・市川真人)

内容説明

パソコンソフト会社を興して成功した狭山銀次が創刊した、前衛的な文芸誌「ベラス・レトラス」。破格の原稿料に釣られ、常連執筆者となった作家たち。そうした作家たちの成功を妬む同人誌作家が爆弾テロを仕掛けたことから事態は急展開。虚実の境界を自在に行き来する、『大いなる助走』に連なる快作。

著者等紹介

筒井康隆[ツツイヤスタカ]
1934年9月24日大阪府生まれ。57年同志社大学文学部卒業。60年SF同人誌「NULL」を発行、処女作「お助け」が江戸川乱歩に認められデビュー。81年「虚人たち」で泉鏡花文学賞、87年「夢の木坂分岐点」で谷崎潤一郎賞、2000年「わたしのグランパ」で読売文学賞などを受賞。93年教科書に採用された作品が抗議を受けたことをきっかけに断筆宣言、96年から執筆再開。また97年には俳優として本格デビュー。テレビ、映画、舞台などで活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

71
『大いなる助走』に連なる作品なんですね。文壇について書いたメタ・フィクションです。前衛的文芸誌『ベラス・レトラス』の執筆陣の成功を妬む作家たちが爆弾テロを仕掛けるというのにかなりのスケールを感じました。虚実の世界を自由に行き来しながら、最後には著者自身まで登場するのが面白かったです。文学論をいかに読ませるかを考えながらメタにメタを重ねていってるようでした。著者自身から著作権暴露まで出てしまうのには驚きですが。徐々に混沌としていく世界があり、それがネットの世界で繰り広げられているのかなと思いました。2015/10/24

TATA

32
まあ、とても筒井さんらしい作品とでも言おうか、好き嫌いが分かれる作品じゃないかな。文壇ネタでずーっと引っ張れるのはおそらく筒井さんだけだし、老境に入りてもなお実験的な作品を出すことは素直に驚き。まあそれもこれも筒井さんなのだなと。2016/12/14

たー

26
筒井康隆一流のメタフィクションで、文壇の現実を風刺。この読書メーターも彼に言わせると文壇衰退の一翼を担っていることになるのだろうか?2013/12/15

ヘビメタおやじ

13
文学の現状が伝わってきます、それも面白く。メタフィクション、楽しいです。作品内の作品「山びらき」と「アルカイダの日々」、ぜひ続きが読みたいです。2015/12/30

シルク

10
ハチャメチャで理解不能な部分も多かったが、筒井氏ならでは書ける小説。この作品が刊行されたのが2007年ということなので、それから10年たった今、文学巨船ベラス・レトラスの状況は沈没寸前といったところだろうか。著作権侵害のその後がどうなったのかぜひ知りたい。2017/01/03

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