内容説明
池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。“まだ人を殺してない人殺し”マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。97年、「池袋ウエストゲートパーク」で第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞。受賞作に続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)でデビュー。03年、『4TEEN』(新潮文庫)で第129回直木賞を受賞。ジャンルを横断し、精力的な創作活動を展開している。近著に『眠れぬ真珠』(新潮社/第13回島清恋愛文学賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
208
石田 衣良は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。IWGPシリーズ完読プロジェクト,今回は第Ⅵ巻。 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11337296?sort=book_count&order=desc オススメは、「野獣とリユニオン」です。続いて第Ⅷ巻へ。 2019/01/22
れみ
136
IWGPシリーズ6作目。どのお話も、マコトがトラブルを収める方法を思いついてからのところがワクワクする。あとオイシイところで登場するタカシもやっぱり良い。いちばん好きなのは「野獣とリユニオン」かな。ツカサが自分の夢を奪った相手にかける言葉にぐっとくる。だけどこういう風に言うのってなかなか誰にでもできることじゃないね…。2016/10/15
佐々陽太朗(K.Tsubota)
118
「春がまためぐってくるように、おれたちの心には自分自身の傷を修復しようという自然の治癒力があるはずなのだ。そうでなければ、心なんて不便なものを、誰が一生もって歩くというのだろうか」(本書P126より) ディストピアとしての池袋、その街の中で醜い状況や厳しい現実を見ながらもマコトは人らしい心を失わない。それはそんな街に住む者の中にも確かな良心が存在すると信じようとする行為。祈りにも似た行為だろう。2015/12/05
KAZOO
116
石田さんのシリーズ6冊目です。今回も4つの話ですが、どれを読んでも楽しめます。表題作は小学生が家庭の事情からアルバイトをするのですがそれを暴力団にかぎつけられて、ということで主人公に助けを求めます。その他無認可の保育園の話、池袋から暴力団を一掃する話など正義が勝つということではなくうまい決着の付け方をしてくれています。2019/03/24
mura_ユル活動
104
シリーズ第6冊目。連作短編4作。事件がマコトに持ち込まれ、謎を解き事実を掴む。マコトが中心となり解決をしていくマンネリパターン。しかし、ダークな様々な話題に痛快なテンポ、実在しそうなキャラクターが飽きさせない。表題の灰色・・は盗撮ROMで稼いでいる小学五年生、解決は今まで無いくらいあっさり。解決は心温まる。最終編「池袋フェニックス計画」の解決は、マコトの鋭いアイデアから生まれた。組織の力関係・資金の流れ・法律など熟知してなければできない発想。そして実行。読者は楽しみにしているものの1つなのだろう。次巻へ。2019/01/01