内容説明
一日中稽古事に追われている大店和泉屋の娘にとって、湯屋での長居が息抜きだったが、土用の桃の湯でにぎわう大黒湯で、同心が刺殺される。八丁堀七不思議の一つ、“女湯の刀掛”が生んだ悲劇を描く表題作ほか、「ひゆたらり」「びいどろ正月」など全八篇。大川端の御宿『かわせみ』の面々による、大好評江戸人情捕物帳シリーズ。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。平成16年、文化功労者。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さら
36
東吾とるいは幸せそうで何より(笑)。事件は大なり小なり起きていますが、表題作『八丁堀の湯屋』が哀れでした。2017/01/27
真理そら
21
表題作は後味が悪い話だった。湯屋で死んだ松田庄三郎という役人がどんな人だったのかが説明されていないので、なんだか釈然としない気分で読み終えた。2019/01/09
bookshelf_yt07
9
【あらすじ】るいと祝言を上げ、講武所の教授方と軍艦訓練所勤務となった東吾だが、かつて師範代をしていた狸穴の方月館から岡っ引きの仙五郎がやってくる。かちての冷飯食いの次男時代と変わらず、幼馴染みの同心・畝源三郎と捕物をする。【感想】結婚をしても、東吾は幼馴染みの同心・源さんと捕物をすることは変わらない。まあ、るいとの関係を公に出来なかった前とは違い、堂々としているが。今巻で驚くのは表題作。この事件の衝動性にとにかく驚く。2021/11/17
あかつや
4
前回ようやく正式に夫婦になった東吾とるいだけど、なんかあんまり変わんないな。狸穴に通わなくなってあちら絡みの事件が少なくなっただけだな。もう少し新婚らしいイチャイチャしたとこ見せてくれてもいいんだけど、思えばずっとイチャイチャし続けてたわけで、新婚だからって特別付け加えることもないのか。今回好きな話は「煙草屋小町」。結婚しても変わらないのは東吾自身が変わらないからだな。おるいさん一筋ではあっても他の女を見ないってわけじゃない。これは同性としてよくわかる。あと表題作もよかった、というか苦え話で印象深かった。2022/12/20
gosuken
4
表題作もですが、全般的にやりきれない結末の印象。2013/10/23