内容説明
本所で“狐の嫁入り”騒ぎが頻々とおきている。花嫁行列の駕篭が宙に浮いて、青白い狐火が飛ぶのだとか。捨ててはおけぬと、同心・畝源三郎と神林東吾が真相究明に乗り出した。かわせみの女主人・るいも一役買って…表題作ほか「千鳥が啼いた」など全六篇を収録。江戸の四季、風物、人情を織り込んだ人気シリーズ新装版第六弾。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
45
東吾はるいを本当に大切に思っているのか不安になりました。でも他人に優しい東吾なんですよね。四季、風物、人情が入り混じる捕物帳だから面白い。読むのが楽しいです。2022/08/01
ALATA
37
仙台堀に突き飛ばされ,ずぶ濡れとなった東吾。剣の達人といえども嫉妬に燃える“おまさ”にはタジタジといったところ。相変わらず若先生、愛しき人に想われて羨ましい。一人娘のために事を起こす畳職人鉄五郎「師走の月」、背中に滝夜叉姫の刺青を彫り込む女掏摸「梅一輪」、方月館の弟子、伊太郎のご奉公願い「千鳥が啼いた」が好み★3※狂言役者に源三郎も加わり悪徳高利貸しにコンゲームを仕掛ける表題作「狐の嫁入り」が痛快。「今日あたり、お稲荷さんへお礼参り行ってくるか」るいのはじけるような笑顔がいい。2022/01/29
はにこ
31
もしや東吾はお調子者なのか?るいを大切にしていると言いながらも、おとせと会うのをひそかに楽しみにしたり、七重にも良い顔しているし。美人が通れば気にするし。どうも信用ならんのよ。捕物は上手くいったけどね。2021/11/19
真理そら
31
表題作は芝居の人たちが全面的に協力して木曽万のむすめを助ける話だけれど鬼火やらなんやらがどうなってたのかをもう少し知りたい気がした。ま、ミステリー的トリックは楽しかったからいいかも。『千鳥が啼いた』は、やや男臭い師弟の関係がさわやかで好きだ。2019/01/02
ビグ
21
シリーズ6弾。東吾は不審事の調べや源さんの手助けに忙しい。今作は東吾の捕物が目立つ。るいの出番はさほどなく、登場したと思えば、かわせみの女将としての姿がメイン。この方がいいけど、イチャイチャがないとかわせみではなくなってしまう。派手さはないけど、地味に好きなシリーズ。2021/04/17