内容説明
「世の中には馬鹿な奴が居りますもんで」と、一杯入った長寿庵の長助が始めたのは、幽霊が殺されたという話。不審に思った東吾と同心・源三郎が調べると、思わぬ事件に行き当たる…。表題作ほか、「源三郎の恋」など人気作品、全七篇を収録した捕物帳。活字が大きく読みやすくなって、大好評の「御宿かわせみ」シリーズ新装版です。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第42回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
50
相変わらず安定した短編ばかりです。読後感があまりよくなかったのが残念です。2020/12/11
はにこ
31
るいちゃんが今回も東吾の行動にヤキモキ。色男だからねぇ。子連れ女と何も無きゃいいけど。。それに比べて畝さんは相変わらず。。良い人が嫁に来てくれないかしら。。るいちゃんのピンチがあってハラハラした、「秋色佃島」、最後の「三つ橋渡った」のオチが一番良かった。2021/11/04
ALATA
31
「東吾さんは年増殺しの素質があるんですよ」いつもまでも思わせぶりな姿にヤキモチを焼くるい。“恋ふたたび””幽霊殺し”“奥女中の死”など色恋模様が艶やか描かれる。なかでも婚礼初夜に殺人事件が起こる”川のほとり”がミステリー要素あり、金田一の本陣殺人事件を彷彿させる。★4※方月館に身を寄せたおとせ、東吾の来るのを心待ちにしている。どうなることやら…2021/09/18
真理そら
30
『源三郎の恋』は期待したけれど、悲恋だった。情に流されないでしっかり探索しているのはさすがプロ。物語上は東吾はモテ役、源三郎は女っけなしという役割分担ができているけれど、読者には源さんファンがいっぱいいそうな気がする。相変わらず悋気の強いるいだけど、持て余したりしないできっちり受け止めている東吾はすごいなあと思う。『秋色佃島』は紅白饅頭の話から思いがけない広がりを見せて、るい拉致事件にまで発展した。男も女も強くなって生き延びていかなくちゃね。2019/01/01
コージー
16
この短編にも慣れてきたようで、一時間ドラマのようにちょっとした時間で一話ずつ読み進めてきました。るいの勝ち気さの反面、『奥女中の死』で見せる『私はしたないことを言いました。私に愛想を尽かさないで』しおらしさ。江戸時代のツンデレかな。まだまだ先は長い。楽しみです。2013/11/29