内容説明
富岡八幡宮恒例の牡丹市で持ち上がった時ならぬ騒動。一位となった高貴にして優美な「白貴人」は自分が作った花だと、男がケチをつけてきた。果して花はすり替えられたのか?表題作ほか、「江戸の蚊帳売り」「水売り文三」「あちゃという娘」など全八篇を収録。水仙、梅、椿に萩と江戸の花々を背景に、「かわせみ」は今日も繁盛。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
41
東吾の優しさを強く感じました。誰に対しても同じような接し方をするから人気があるのでしょうね。そのせいか、まわりの毒舌が丁度良い。会話とか面白いのは東吾と取り巻く人たちとの良い意味でのズレなのかもしれません。2022/08/21
rokoroko
8
これを書いた頃の平岩氏の作品はいいなぁ~筆が乗ってるというかよんでいても時間忘れる。新・かわせみで登場人物半分にしちゃったんだよね2017/03/03
椿
7
再読。御宿かわせみシリーズ第28作。それにしても、何度も異母兄妹の恋愛話が出てくるね。その度に、あぁ又か、とちょっとウンザリ。「水売り文三」でのお島に対してのお節介は、ひどかったなぁ。親切心でしていることだから、自分は正しい、と思い込んでるしね。2015/07/06
jima
7
正直、10巻目くらいまでは、短編集なので読むのがきつかったが、ここまでくるとすっかりかわせみの世界にはまった。「佐助の牡丹」「三日月紋の印籠」「あちゃという娘」世の中の弱者に目を向けた作品。奥深かった。2012/12/26
gosuken
6
「水売り文三」が印象に残った。兄弟愛が切ないなぁ。あちゃには幸せになって欲しい~2014/12/14