内容説明
小さな宿の女主人るいと、次男坊ながら親代々八丁堀与力の家に生まれた東吾。尋常にいえば縁組の成立するわけがなかった―。二人の“忍ぶ恋”を縦糸に、江戸下町の四季の風物を織り交ぜながら描かれる、人情味あふれる捕物帳。今日も「かわせみ」には様々な人が泊り、様々な事件がおこる。人気シリーズの新装版第二弾。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
79
東吾とるいの恋愛模様を背景に、捕物ミステリーが重なって、面白く読めます。捕物のスピード感と、江戸情緒や風情を味わいながらの読書です。 麻生家(東吾の実家)の描写が増えてくるにつれ、東吾とるいの緊張感をもった関係も分かるようになってきます。捕物の謎解き要素も濃くなって、多様な面を持つ本シリーズの魅力がよくあらわれています。長いシリーズですが、飽きることなく次も読みたいと思わせてくれます。2025/01/01
優希
43
東吾とるいが仲睦まじくて微笑ましいです。江戸の下町の四季も人情味につながっているのではないでしょうか。様々な出来事を「かわせみ」は今日も動きます。体で感じる捕物帳ですね。2022/05/16
アイシャ
40
江戸時代の八丁堀同心のシステムはむごいな。東吾のように優秀な人が次男と言うだけど仕事にありつけずにいつまでも冷や飯食いとは。お小遣いをもらったという一文にヒヤッとした。その立場を考えればるいと一緒になかなかなれないのも分かるが、るいが可哀そう。大店の商家の事件が何件かあって、お金と暖簾のために人の心を失って生きていくのは辛いことだと思う。八丁堀や深川の地名が出てくる話はやっぱり面白い。2021/10/06
はにこ
38
るいと東吾のラブラブっぷりが相変わらず良いなぁ。一つ歳上なるいが東吾のモテっぷりにヤキモキしているのが可愛いすぎ。でも本人のこと考えたら宙ぶらりんで辛いかもねぇ。今回の短編の中ではお役者松がなかなか良いキャラだったな。このまま住み込んでくれないかな。2021/10/03
そうたそ
37
★★★☆☆ 根本的な感想は一巻と変わらず。四季折々の風景が美しく描かれる中展開される東吾とるいの関係や様々な事件。一応は捕物帳というジャンルでありながらも、事件そっちのけでベタベタしている東吾とるいを許容できるかどうかが、このシリーズを読む上では重要かもしれないなあ……。一つ一つの話も短いので、ちょっとした時読むのに丁度いい。ただ続けて読むと飽きそうなので、期間を空けながらぼちぼち読むのがいいのかも。2015/01/12