内容説明
深川の長寿庵の主人であり、源三郎の下で岡っ引を長年つとめてきた長助が、お上から褒賞を受けた。町内あげてのお祭騒ぎの中、取り残されたように、一人ぼんやり店番をする女房おえい。が、そのおえいが気になる人物を見かけ、目の前で思わぬ事件がおこる。表題作ほか、「千手観音の謎」「嫁入り舟」「唐獅子の産着」など全八篇。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い
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感想・レビュー
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rokoroko
18
再読。橋田壽賀子氏の訃報で平岩氏が心配になった。私が若い頃楽しんだ作家が次々と旅たっている。これは脂が乗り切ったころの作品だ。若先生も若くてたくましく全て変わってしまった明治編と趣が違う。安心して楽しめる。平岩氏は実母と同じくらいの年齢お嬢さんも今の私と同世代か‥そんなこと思いながら楽しんだ2021/04/13
椿
11
再読。御宿かわせみシリーズ第26作。湯舟なんて知らなかった。「千手観音の謎」の兄上夫婦の仲の良さに和むよ。「唐獅子の産着」に出てくる神林兄弟のつくね団子のエピソード、微笑ましくて好きだなぁ。2015/06/09
gosuken
11
やっぱり、「長助の女房」がいいなぁ~通之進が長寿庵で蕎麦を食べ、その側でおえいがアイドルを見ているかのような感じで惚れ惚れしている様にほのぼのとしました。2014/10/08
rokoroko
9
安心して読める話が多かった。表題の長助の女房は二度読み2017/01/26
文章で飯を食う
9
「長介の女房」が大好き。通之進は役者絵よりかっこよくて、香苗は観音様のようだという。お江戸はいいね。2011/05/26