出版社内容情報
商用で江戸へ出て来た男が次々と姿を消し、背後に"安囲いの女"の影がちらつく。おなじみ「かわせみ」の面々がおくる人情捕物帳
内容説明
商用で江戸へ来た男が大金を持って次々と姿を消す。月に六両の生活費を5人の旦那で都合するという“安囲いの女”が関係しているらしい―表題作のほか7篇。大川端の旅籠「かわせみ」の女主人るい、年下の恋人で剣の達人・神林東吾、彼の親友で八丁堀同心の畝源三郎、名トリオの勘が冴えわたる江戸情緒ゆたかな人情捕物帳。
目次
むかし昔の
黄菊白菊
猫屋敷の怪
藍染川
美人の女中
白藤検校の娘
川越から来た女
一両二分の女
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビグ
17
かわせみシリーズも9冊目。30ページ程の短編で綴られており、捕物や人情噺など様々な話で楽しませてくれる。表題作の「一両二分の女」が印象に残った。男5〜6人で1人の女を囲う。ひとりで囲うにはお金がないので、一両二分ずつ出し合って囲う。それが一両二分の女ということ。それでも貧乏で苦しい生活をするよりは、家を一軒与えられ、生活を支えてもらえるのでそんな暮らし方をしている人は沢山いると…。女は強いのか弱いのか…。 それにしても、東吾とるいの仲は相変わらず。朝から失神するほどのコトを恥ずかしくもなく…。ん〜…笑。2021/12/17
コージー
13
相変わらずの安定感だ。それにしても、2人はいつ夫婦になれるのか?興味深いが、やっぱりそんなハラハラした関係だからこその、いい関係ってのもよくわかる。2014/08/23
椿
5
再読。御宿かわせみシリーズ第9作。「むかし昔の」と「美人の女中」が切ない。「一両二分の女」は後味が悪かったなぁ。2014/10/28
めぐみこ
3
【再読】だいたい覚えてたのだけど、「むかし昔の」だけ記憶になかった。白藤検校の娘・おきみちゃん、よい子だから幸せになって欲しいな。2019/11/01
さきとし
2
「むかし昔の」は切なく、孤独感が際立っていた。「白藤検校の娘」も前向きないいはなしだったけど、「黄菊白菊」「一両二分の女」は箍のはずれた醜い人間の姿が描かれ、きつかった。2016/08/15