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文春文庫
火城―幕末廻天の鬼才・佐野常民

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  • サイズ 文庫判/ページ数 363p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167164140
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

日本赤十字社の生みの親として知られる佐野常民。類稀な行動力で幕末の佐賀藩を近代化へと導いた男の半生を描く、本格歴史小説。

内容説明

時は幕末。開明派の藩主・鍋島閑叟の下で「技術立国」を目指した佐賀藩は、ヨーロッパ産業革命の原動力となった蒸気機関の国産化を目論んでいた。中心となって奔走したのは佐野常民。類稀な行動力と、意外や涙で人心を動かす熱血漢であった。のちに日本赤十字社を設立することになる、熱き男の半生を描いた歴史長篇。

著者等紹介

高橋克彦[タカハシカツヒコ]
昭和22(1947)年、岩手県盛岡市に生まれる。早稲田大学商学部卒業後、美術館勤務を経て、58年『写楽殺人事件』で第29回江戸川乱歩賞を受賞。その後、61年『総門谷』で第7回吉川英治文学新人賞、62年『北斎殺人事件』で第40回日本推理作家協会賞、平成4年『緋い記憶』で第106回直木賞、12年『火怨』で第34回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kawa

36
幕末、日本における産業革命とも言うべき科学技術の近代化に邁進した佐賀藩。その動きの中心にいたのは、後に日本赤十字社を設立する佐野常民。彼を主人公として「先の日本のために」「捨て石ではない。これは布石だ」と、独自の動きを取った佐賀藩の人々を描く。尊王攘夷、佐幕と沸騰する日本にあって、アザーズの幕末史を面白く読了。開国を迫る列強の実力を冷静に見極め、海軍設立を目指すと見せて、実は商業立国を図ろうとしたと言う井伊直弼・長野主馬の立ち位置も初知り。後に「炎立つ」などの傑作歴史小説を著す高橋氏の初めての歴史小説。2020/06/13

penguin-blue

36
「佐野常民との出会いがなければ歴史小説を書かずに終わっていたかもしれない」と筆者は書く。確かに只者でないのは物語からも十分伺えるのだが描かれているのが生涯の一部であり、そのスケールを映し出すにはこの長さでは尺が足りなかったかも。それよりも、強く興味を覚えたのは鍋島藩。どうしても今まで読んだ幕末小説の中ではキャラクター的に薩長土肥の中でやや影が薄い印象だった不明を恥じる。藩をあげて、新しい知識の吸収や技術の開発に挑み、時代の先を走っていたことを知り、改めて維新や明治国家に彼らが果たした役割を知りたくなった。2019/06/12

kanki

25
幕末の佐賀藩に佐野常民あり。初の国産蒸気船製作。佐賀藩がこんなに素晴らしかったとは知らなかった2023/01/07

gachi_folk

12
こんな男がいたのか。佐賀藩を、国のために一丸となって回り道をさせた佐野常民。鍋島閑叟という希代の名藩主の存在も大きいが、思想はその国に暮らす者を動かすのみだが、技術は世界に通じると疑わず、幕府が倒れた後を見据えて動いた常民。その後、日本赤十字社の生みの親となるまでの活躍も知りたくなる。2013/07/22

さかな好き

11
技術を培い、未来への礎を築いた佐野常民たちの功績は後の日本を確実に支えています。 しかし、それは武士の世では異端者ともいえる行動であり、彼を動かした信念や情熱に魅せられました。 陣の周囲に松明を並べて防壁とする火城。国を思い、遥か先を見通す火たちの生きざまは佐賀県民として誇りに思います。2019/03/30

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