出版社内容情報
土蔵破り、忍び込み、阿呆を装う情報収集……。そして武家とて悪辣ならば容赦しない闇の帝王どもの心意気。語り口巧みな名泥棒小説
内容説明
盗みとはアートなり。悪辣非道なお武家様には、きっちりと盗っ人の意地を見せましょう。立ちむかうはジゴロの間男七之助、忍び込み名人猫足の勘次、情報収集の達人貫太…。誇りのために手練手管の限りを尽す盗賊たちの技の冴え。大江戸の闇のネットワークを描いて、語り口巧みな悪漢小説の逸品です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうけん
6
<代> 半村良。僕の拙い記憶ではSF作家である。一番強烈に印象的な作品はもちろんテレビアニメ「エイトマン」である。ロボットであるエイトマンは電子頭脳の過熱を冷やすために特別なたばこを吸う。これがなんともカッコ良かった。 この本は名古屋出身の作家 清水義範が解説を書いている.僕は清水が頻繁に作品を発表していた頃贔屓にしていた。 清水は得意技が”パスティーシュ”なので,図ってそういう解説になっている(笑).そして半村良は清水の師匠格にあたるのだそうな。これもかなり興味深いことだ。2020/04/10
カザリ
4
会話の応酬が漫才風味、というか、その中にも仁義とか世間の風をことさら気にする日本人の狭い感覚がよくも悪くも描かれているなあ、と。 再読13年1月12日 やはり、会話の妙が引き立つけれど、キャラクターにたいしてプロットがもったいない。ここのところ、SFを読んでいたので、SFのスケールの大きさに驚いた。これはこれで、おもしろいけれど、やはり物足りない。この人物描写を生かす方法を、なんて考えしまった。2013/01/02
冬至楼均
3
清水さんの解説目当てに買った。本編がすばらしいのは言うまでもない。2015/06/21
しんこい
3
押し込みを軽蔑し、じっくり仕込んで盗んだ事さえ気づかせない盗賊というのは、江戸時代普通だったのか? この小説でえは火盗改めは完全な悪役ですね。2012/06/19
射手座の天使あきちゃん
3
完全娯楽作品です 様々な盗人たちの活躍と末路を、ちょっぴり(かなり?)お色気もありでした /(^_^;