出版社内容情報
草原の英雄が築いた城壁都市・北京。紫禁城の中では何が繰りひろげられてきたか。歴史から料理・演劇・庭園にいたる悠久の都の魅力
内容説明
黄土が生んだ城壁都市、北京。その歴史は神代に始まる。人類の始祖のひとつ北京原人、理想の王・黄帝から、今日の城内を管制し、庭園を充実させた清の康煕、雍正、乾隆帝、そして毛沢東まで。この都における英雄たちの事跡をたどりつつ、紫禁城の構造、料理、演劇、庭園、胡同の生活と北京の魅力をあますところなく紹介する。
目次
序章 ペキンの魅力
1 黄土高原と黄帝
2 北京原人
3 易水寒し
4 草原の英雄のみやこ
5 紫禁城の甍
6 宦官と儒臣
7 辮髪と天の祭
8 円明園の炎上
9 歌扇舞衫
10 胡同の生活
11 地上の虹
終章 黎明の新人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
韓信
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北京原人から中華人民共和国成立まで、北京の歴史と自然環境を綴る都市の通史。やはり明清時代の都として整備された時期に紙幅を多く割き、紫禁城内部や庭園の結構、胡同の暮らしぶりや外城の繁華街の様子などを多彩なエピソードを交えて描き出している。内容は浅く広くな一般書だが、参考文献や索引付きでやたらと親切設計。先日、江戸東京博物館における18世紀の江戸と北京展で「乾隆八旬万寿慶典図巻」を見たが、乾隆帝の誕生祝で街中の各所に芝居の舞台が設けられており、本書でも取り上げられた北京っ子の芝居熱を実感した。2017/03/26
ナウラガー_2012
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金の海陵王(完顔亮)が1150年頃、燕京に移し「中都」と称した/京劇:前門街の大柵欄や東城の東安市場にあった.同治帝や光緒帝の時(19世紀後半)が最盛期で西太后が熱烈に好んだ.天賦の美声に恵まれた老生役の「譚鑫培(タンシンペイ)、武昌出身」、一家女形の「梅蘭芳:最初の海外公演は日本で彼の創作した『天女散花』を帝劇の初日公演とした」/蟋蟀(コオロギ):罐という蓋付きの壺に入れ、専用の賭場で昼過ぎと夜八時の二回勝負が行われた.キリギリス(蟈蟈兒/クオクオル)も飼われ、鳴き声を楽しんだ