文春文庫
斜陽・パンドラの匣―太宰治映画化原作コレクション〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 342p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167151126
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

生誕100年を迎え、再び注目を集める無頼派作家、太宰治。その退廃的な作品群の中から、1947年に刊行され、何度も映像化された大ヒット作「斜陽」と、終戦の年から河北新報に連載された佳作「パンドラの匣」を収録した愛蔵版。破滅的とも称される作風で多くのファンを獲得する太宰文学の頂点の文庫化。

著者等紹介

太宰治[ダザイオサム]
1909(明治42)年、青森県北津軽郡金木村(現五所川原市)生まれ。官立弘前高等学校を経て、東京帝国大学文学部仏文学科中退。1935年、「逆行」で第1回芥川賞候補。1948年6月13日、玉川上水にて入水自殺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

63
一つ一つの作品は再読になりますが、映画化された作品の短編集という事で、改めて読みました。「斜陽」と「パンドラの匣」と、性格の全く反対の様な作品が、一冊の本になっている事が素晴らしい。「斜陽」は、戦後になり貴族たちが没落して行く様と、その逆境の中で少しずつたくましくなっていく、女性の生きざまを描いています。たんにお金が無いだけではなく、元貴族という事から、周りの人たちから受ける疎外感の辛さに、思わず応援したくなります。「パンドラの匣」は、太宰治氏の作品とは気付かない程、何回読んでも楽しめる青春メモリーです。2016/03/13

優希

51
退廃的な作品の多い太宰ですが、この2作品はそんな中にもユーモアの要素を感じました。「死」の色彩が見えつつも美しい。映像化されるのも納得です。機会があれば映画も見てみたいです。2023/02/19

たー

24
斜陽:太宰が書いてなかったらこんなに評価されないのでは?と思った。パンドラの匣:こっちは好き。面白い。2015/12/26

水零

23
『パンドラの匣』戦中〜戦後の結核隔離病棟での日常を、友人への手紙という形で綴った本書。病院を道場、看護師を助手と呼ぶ、日常とは物理的・精神的にも切り離された空間で生きる塾生(患者)達。やれ米軍が、空襲が、進駐軍がと騒ぐ世間を他所に彼らは毎日決まった時間に起き、屈伸運動をし、喧嘩をし、やきもちをやく。ごく自然な人の営み。私は、冒険もミステリも大好きだ。けれども結局私が1番好きなもの。それは、どんなに過酷な時代・状況であっても変わらぬ、一人ひとりの泥臭い人間の『生』の積み重ねなのだと気づいた、平成最後の読書。2019/05/01

じゃむ

17
柔らかく、暖かく、切れ味鋭く刺さり、眼から鱗が落ちていく。太宰作品にはそういった斬新さがやはりある。太宰の懊悩と軽薄さ、そのコントラストがとても好きだ。「斜陽」に描かれた主人公の哀切。慈しみと犠牲。退廃としがらみ。脱皮と革命。死んでしまった国家から「個」の時代へと変遷せしめていくその過程を、コミカルに、シニカルに描いていてとても面白い。「パンドラの匣」では、健康道場という結核患者の療養所でのすったもんだがユニークなタッチで描かれている。世事のことだけが描かれ、病の陰鬱さはどこにもない。だからいい。2017/12/24

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