文春文庫<br> ルソン戦記―ベンゲット道〈下〉

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文春文庫
ルソン戦記―ベンゲット道〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167151102
  • NDC分類 916
  • Cコード C0131

出版社内容情報

リンガエン湾に上陸する米軍の新様式に対して、日本軍は旧態依然の玉砕戦法で、次々と壊滅していった。比戦最後の様相を描く労作

内容説明

比戦線の最後の主戦場は、マニラ―バギオ間を結ぶベンケット道と重畳たる山岳地帯だった。攻め寄せる近代装備の米軍に対して、日本軍守備部隊には斬り込み命令が繰り返される。飢えと病と敵弾と高級指揮官の無能の四重苦のうちに、兵士たちは倒れていく。悲劇の核心を衝き、戦争悪を追及する著者執念の戦場ドキュメント。

目次

第6章 川霧の中から
第7章 狂乱と正気
第8章 ベンゲット道脱出
第9章 死んだ兵隊はどうなるのか
第10章 最後のベンゲット移民

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モリータ

11
◆単行本「ルソン戦記」85年刊、文庫版(本書)は加筆修正・分冊して89年刊。82年文藝春秋社の創立60周年記念事業で計画された書き下ろしNFとして高木が選んだテーマ。「ベンゲット道」は北部ルソン島の険しい山岳道路で、明治時代に日本から労働者移民が建設に入り苦労した場所である(現地では工事責任者の米人名から「ケノン道」と呼称)。そして太平洋戦争末期、リンガエン湾からの米軍進撃、要衝バギオ市防衛のため、幾多の将兵が斃れたところである。さらにその前後には多くの比市民、日本人在留者も戦争の犠牲となった。2022/07/26

Miho Haruke

1
本書はいわば漫画『度胸星』や映画『エル・スール』のような未完の物語だ。著者は本当はこの第一部〈ベンゲット道〉に続き第二部〈バレテ、サラクサク峠〉を書くつもりだったが果たされなかった。しかし本書に登場する落合中隊長の心裡の変容だけでも十分劇的である。幼年学校から士官学校に進み、軍人としての己に疑いを持たなかった青年士官が理不尽と無残な戦、過酷な飢餓と病に襲い掛かられ、疑問を抱いていく。その様子がこれでもかと描かれて読むのが苦しい。戦争悪を絶対に許さないという著者の怨嗟と執念に疲れ果てるが、読むべき本だ。2014/04/14

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