出版社内容情報
連隊長はなぜ自決したか?ビルマにおける「ハ」号作戦失敗の真相と"赤鬼"師団長・花谷正中将の暴虐ぶりをあばき、戦争の非人間性を問うた迫真のドキュメント
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miho Haruke
3
インパール作戦というと牟田口廉也が筆頭悪役となっているが、ここで糾弾されるのは前哨戦であるビルマ西部アキャブ方面での戦闘を指揮した花谷元中将。恫喝し殴り銃口を向け自決を強要する。指導者が敵に対してではなく部下に対して、こうも暴虐非道な態度をとれるものだろうか。恐ろしいのは、この人物がくるっていたのではなく、単にそういうゲスな性格だということ。こうした軍人が彼だけではなかっただろうこと。そしてそんな兵士本人は死んでも死にきれないような強要された自決でも、遺族には「壮烈な戦死を遂げた」と伝えられたこと。2014/02/02
Akio Kudo
2
★★★★ 日本軍兵士のイジメとパワハラに言葉がない。2020/07/25
junkoda
1
「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな」「よろしい、きび団子は4日分。あとは鬼から奪うのだ。補給はない」2018/08/08
たわし
1
「戦死という言葉には、必ずといってよいほど”壮烈な”という形容詞がついている。つけなければいけないようである。だが”壮烈な”とは、どのようなことを指すのか。しかも、実際には、そのなかに自決させられたものや、銃殺されたものまでふくんでいる。”壮烈な”とつければ、遺族を慰めることはできよう。だが、すべてを”壮烈なる戦死”とすることは、戦時中の大本営をはじめ、多くの軍用語法と同じで、国民と歴史を欺くものである。」あとがきより2013/03/11
かっくうほう
1
花谷師団長もひどい・・・。なんというか、インパール作戦は負けるべくして負けたとしか考えられない。他に読んだ2作品が、インパール作戦の中で、いかに生き残るか、仲間を生き残らせるか、作戦を成功させるために無理だとわかっていたのに、最善の努力を尽くした、といった美談的な感じを受けたのに、この本では、無能な師団長が如何に害かを説いているようにしか読めなかった。なんというか、やっぱり戦争はイヤだな。2009/09/30