出版社内容情報
少年の日に体験した恐怖の正体は何だったのか? 二十七年後、引き寄せられるように故郷の町に戻り、IT(それ)と対決する七人
内容説明
デリーに近づくにつれ、消されていた記憶の細部が甦る。洪水のあと、紙の小舟を浮かべに行ったジョージィの黄色いレインコート。血染めのレインコート。〈荒れ地〉の小川につくったダム。記念公園の給水塔。廃工場の大煙突。そこから現れた怪鳥。狼男。そして風船を持ったピエロ…あの、1958年の夏、子供たちがずいぶん消えた。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
171
人は最悪の時を迎えた時、時が過ぎればそれもまたいい思い出になる、笑い話になると願いながら最悪の時を耐え抜き、やり過ごそうとする。何もかも順風満帆な人生などはなく、そんな苦い経験、忘れたい屈辱などを経るのが大人になることだ。時がそんな負の思い出を浄化し、いつしか他人に語れるまでに矮小していくが、そんな苦い過去を想起させる出来事が再発した時、それはつい昨日の出来事のように思い出される。7人が運命とも云える出逢いを果たし、仲間となるシーンは何とも瑞々しく、爽やかで無垢な人間関係が築けた少年時代の思い出を誘った。2019/06/09
散文の詞
154
第二部として、過去の出来事、特に彼らが出会うことになった事柄が事細かく描かれます。 殺人ピエロもほんのちょっと顔を出しますが、まだまだ全然怖くありません。 そして、第三部として現在の様子が描かれます。 まだまだ、まだまだ、怖くありません。 2021/02/08
KAZOO
132
1巻目でも書いたのですが、映画に最近なったのですが、むかし衛星放送でやっていたことも思い出しました。かなり怖かったことを思い出しました。この本を読んでいると、どちらかというとあまり怖さは感じない気がします。小道具というか大道具などでいろいろ演出を凝らしているようです。少年時代の思い出から一転して、ということでさらに続いていきます。2017/11/30
nobby
120
極めて断片的にしか語られなかった出来事がようやく少しずつ結び付き始め、ついに大人になった彼らが再会をはたす。それに伴い物語についていける様になったはいいが、恐怖の度合も一気に上がり、怖すぎて今晩見る夢が心配…まだ正体不明のIt(あいつ)の存在が子供いや人の深層心理に入り込むモノならば、彼らはどうやって立ち向かえばよいのか!?いや、27年前には一度やっつけているのだが、それを思い出せないのもIt(あれ)の仕業なのか…意味深なワードが何個か登場するも、発せられた台詞「思い出せないんだ!」が何とも歯痒いばかり…2020/01/01
nuit@積読消化中
104
<再読>ずっと前に読んだので、本筋は分かっていても、細かいところはすっかり忘れていたせいで、改めてキングを楽しめた。このまま3巻目へ〜。2019/05/11