出版社内容情報
子宮摘出手術を受けた冬子が同性愛体験などを経て女としての歓びを取り戻していく。性の悦楽と女性再生の葛藤を描いた異色の大作。
内容説明
わたしはもう女ではないのだろうか―原宿に店を持つ28歳の帽子デザイナー・木之内冬子は、筋腫を取り除くだけの予定で臨んだ手術で子宮を摘出。ことあるごとに煩悶するようになる。かつて不倫関係にあった建築家の貴志との関係が再燃し、別れようと決意するが…性に惑う女性が新しい日々を得るまでを描く、異色の大作。
著者等紹介
渡辺淳一[ワタナベジュンイチ]
昭和8(1933)年、北海道生まれ。札幌医科大学医学部卒業。元同大学整形外科学教室講師。医学博士。45年7月「光と影」で第63回直木賞を受賞。55年「遠き落日」「長崎ロシア遊女館」で第14回吉川英治文学賞を受賞。平成15年、紫綬褒章受章、第51回菊池寛賞受賞。札幌に渡辺淳一文学館がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんこい
2
若くして子宮の摘出手術に不倫、さらには診療過誤の疑惑と結構思いテーマが続きますが、結構あっさり読み進めます。それが持ち味か。79年の作品とは思わなかった。2013/05/20
元吉
1
★★★★☆1998/02/15
ヒカリ
0
子宮筋腫の手術をした冬子。不倫相手の貴志、若い船津、帽子屋の上客である中山夫人、性や愛に揺れながら前に進んでいる。こんな世界もあるのだなぁと。2017/09/27
kanatako
0
渡辺淳一先生の追悼で読みました。79年に世に出た本。当時と今では女性の年齢の重みがかなり違うのだろうなあと。筋腫のオペも今はかなり違うでしょう。渡辺先生は何故こんなに女性の描写が細やかなのかな。妖艶な主人公はどう生きていくのか、下巻が気になります。2014/05/19
Ni Miki
0
自分に子宮が無くなったら・・・・ もう子供を産むつもりがなくても、やっぱり無いのは女でなくなった気がして悲しいかも。 女性にしかわからないはずのこの心境、渡辺淳一さんはただひたすら想像したのでしょうか。2013/03/08