出版社内容情報
子供の頃から居眠りばかり、昼行燈と呼ばれた大石内蔵助。大らかな男が、人としてなすべきこと──仇討ちを果すまでの生涯を描く。
内容説明
子供の頃から居眠りばかり、けれども女好きなることこの上なく、国家老になってからも「昼行燈」という、あだ名をもらっていた男。柚子味噌をなめながら晩酎をし、妻女と仲よく暮らし、たまさかには出張にことよせて、あまり上等でない遊女たちと、たわむれ遊ぶことに無上の喜びを感じていた男…大石内蔵助という男の足音。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
大正12(1923)年、東京に生れる。昭和30年、東京都職員を退職し、作家生活に入る。新国劇の舞台で多くの戯曲を発表し、35年、第43回直木賞を「錯乱」によって受賞。52年、第11回吉川英治文学賞を「鬼平犯科帳」その他により受賞する。63年、第36回菊池寛賞受賞。作品に「剣客商売」「その男」「真田太平記」“仕掛人・藤枝梅安”シリーズなど多数。平成2年5月3日没。東京・浅草に池波正太郎記念文庫がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とん大西
118
いやぁ、面白い。池波さんの描く大石内蔵助のなんと人間くさいことよ。辣腕でも敏腕でもない。ややもすれば昼行灯と揶揄されながらもおおらかに家政を見守り主君に仕える。池波作品お約束のように女とも戯れる。こんな人物が後に苛烈な討ち入りを果たすとは…。18歳の多感な頃から始まる上巻。隙もあれば失態も犯す。が、生来の貫禄と懐の深さで家老としての経験値を積んでいく大石。世の移ろいと同じくして武士の矜持も変わりつつあった。そんな中、独裁者となった将軍綱吉。悪政・生類憐れみの令は国中を撹き乱し始めた。時は元禄である。2023/01/04
m
12
これを読むと内蔵助の好感度がさらに上がる。昼行灯と呼ばれてもやるべきことはしっかりやる。女が原因で出奔したり、遊郭に通ったり、好色家だったことが意外。浅野内匠頭も良いお殿様。事の顛末を知っているだけに寂しい。下巻へ続く。お気に入りに追加。2017/02/13
Book Lover Mr.Garakuta
9
赤穂浪士討ち入りの話。大石内蔵助の人情味タップリな物語である。ある意味女に弱く女を上手に扱っている。まだ主君が生きている。2019/04/07
タカシ
7
赤穂藩の国家老大石内蔵助の生涯話。子供の頃からぱっとせず家老になっても昼行燈と呼ばれる内蔵助がいざというときに決断と女に対しての甘さが人間味溢れて良かったです。上巻は殿中の前までなので下巻に期待です。2017/09/13
秋乃みかく
7
★★★★☆ 大石内蔵助、なんと愛すべきキャラの男なのでしょう(笑) 妙なほっこり感がなんともいえず魅力的。面白い♪2013/05/28
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