出版社内容情報
「不作の生大根」と罵られ逆上して男を殺した女が辿る数奇な運命と並行して、長谷川平蔵の活躍を描く“鬼平犯科帳”シリーズ番外篇
内容説明
「まるで不作の生大根をかじっているようだ」さんざんにもてあそばれた挙句、罵られ捨てられたお松は、偶然出会ったその男、煙管職人の勘蔵を絞殺してしまった。―この言葉を胸に秘めて、数奇な運命を辿るお松を評して、長谷川平蔵は「男にはない乳房が女を強くするのだ」というが…。鬼平犯科帳番外篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takaichiro
30
池波正太郎昭和59年の作品だから35年もの。未だ書店の文庫本コーナーは先生の作品群がそれなりのスペースを占めている。内容はいつかどこかで見たテレビ時代劇の様。ちょっとした殺人事件とそれを中心に様々な人々の生活を描きながらスローにストーリーが進行、最後にちょっとだけいい話が回収される。読んでいて全然違和感なし。ただ現代小説のテーマや複雑なストーリー展開と比べると物足りなのかな。もう少し年齢を重ねて、読書に安心感と予定調和を求める様になったら昭和の国民文学・時代小説に埋もれてみよう。2019/05/11
おとん707
7
ちょうど1年前に鬼平犯科帳全巻を読み終わり喪失感に襲われたのだが、この「乳房」が鬼平犯科帳の番外編と知りさっそく手に取った。この物語は鬼平犯科帳シリーズが始まる前、つまり平蔵が火付盗賊改方長官になる5年ほど前に始まりなんと13年にもわたる。若い頃本所の銕と言われた放蕩息子が望まぬ家督を継ぎ、最初は幕府の閑職からやがて火付盗賊改方長官へ。そこで平蔵は水を得た魚のように職務に没頭する。そして徐々に鬼平へと円熟していく。このころの平蔵はやけに慎重だ。しかしわけある者への情けは既に溢れている。鬼平ここに誕生す。2025/12/16
mika_i
1
3日で読んでしまった。池波さんの描く人間はかっこいい。登場する人達の描写が素晴らしく人間が好きになる。お松の人生の移り変わりを見てて、やはり欲を持たないことが幸福になるのだなと思う。欲を持たなくなったのには、壮絶な苦労を経験したからなのだが。そのお松の人生に矜持を持つ盗賊倉ヶ瀬の徳兵衛が絡んで鬼平が遠くからお松を見守ってる物語にまとめられてるところはさすが。読み終えて清々しい気持ちになった。感謝。2023/02/08
lovekorea
0
鬼平犯科帳の番外編。 火付盗賊改方就任前後の平蔵と、ある女の人生が、交わりそうで交わらず、ビミョーな位置で進んでいきます。 『ある女』の容姿をどう表すのか難しすぎて、映像化するのは無理でしょうな。2021/05/05




