出版社内容情報
仇討は単なる復讐のドラマではなく、武士の世界の掟であった。その掟に縛られて討つ者と討たれる者が、幾星霜かけて共に辿るその無惨な人生を活々と描く傑作短篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
DONA
4
いくら自分の身内が悪くても、殺害した相手を討つまでは戻れない・・仇討の旅は、追う側も追われる側も大変です。人って欲深い物なんだと改めて感じさせられました。2012/02/24
タツ フカガワ
3
仇討ちが合法だった江戸時代。そこに及ぶ理由は色、欲、名誉などいろいろあるけど、討つ方も討たれる方も、その苦労は尋常ではない。そんな苛烈な運命に作者秘伝の悲喜こもごもというスパイスをふりかけた9編、なかで「坊主雨」「敵」「深川猿子橋」が面白かった。2018/05/07
よひとかっぽ
2
仇討にはお金、人、段取り、時間を要する。単なる復讐劇じゃなくひとつの事業だ。2013/12/06
クジラ
2
江戸時代にあった仇討、これ、本当にあったのか怪しんでいたが、どうも本当にあったことらしい。いくつもの藩が乱立して、法律も違う、という状況でも、殺人犯を罰するための不文律のよう。それにしても、仇討の原因はほとんどが色恋沙汰。不自由な恋愛事情だった江戸時代は、かえって鬱屈した恋愛感情を抱いてしまうのかもしれない。まぁ、現代も猟奇的な事件があるか。ふぅ。2011/05/09
s
2
キモい男に言い寄られたからとか上司に嵌められかけたからとか非常にしょうもないことで一族総出の殺し合いに発展するんだもんなー・・・ 討つほうも討たれるほうもひどい目に遭うから喧嘩とか本当にしないほうがいいと思う マジで敵討ちとかロクでもないから!2009/03/21