出版社内容情報
著者の得意とした"薩摩もの"の中から、西南戦争に材をとった作品を集めた短篇集。激戦地・田原坂の悲哀をえがく表題作ほか十篇
内容説明
著者が最も得意とした“薩摩もの”の中から、西南戦争に材をとった作品を集めた贈る。激戦地・田原坂で兄弟が敵味方にわかれて戦う悲話「田原坂」、薩軍の猛将逸見十郎太と酌婦お蔦との意地と愛の交情を描く「南風薩摩歌」、薩摩のボッケモン(勇敢者)真平のユーモラスな行状を描く「兵児一代記」など10篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
出世八五郎
2
薩摩隼人がますます好きになりますな本書。新装版が一編追加で発売されましたが、出版社はなしてそんな真似のするのかと言いたい。絶版をヤフオクで買ったのに舐めてんの?
飲茶
1
短編集なので読みやすいです。キャラが立ってて面白い!
さっと
1
作者の故郷を舞台にしたり、古老の昔語りを素材にしたり、非常に郷土色の強い短編集。庶民と戦争の関わりが哀歓入り混じって描かれます。薩摩訛りが心地よいですね。2009/05/24
しんのすけ
0
西南戦争の頃の話が短編で綴られている。明治維新からこの戦争までたくさんの改革が断行される中で置きざられた武士階級の鬱憤が感じられる。田原坂での新納久徳の『正義とは一体なんだろう。ここで戦って、互いに殺し合って、あんなにもたくさん死んで行った人々は、共に自らの正義を信じていた。そんな正義に、何の意味があるのだろうか。…間違いないのは、自然の生命力だけだ。わずかに一月の間に、あの地獄がこの満目の緑の世界にかわった…。』という言葉が全体をあらわしていると思う。2023/02/24
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