出版社内容情報
全国制覇の武の時代から統一後の文の時代へ、英雄の時代から能史の時代へ。行長、三成との対立が激化するにつれて豊家の行く末を思う清正の苦悩はますます深まる
内容説明
十五歳で木下藤吉郎(のちの秀吉)に仕えた虎之助(清正)は、股肱と頼む肉親の少い秀吉の重用に応えて、山崎、賎ケ嶽はじめ数々の合戦に名をあげ、ついに肥後の太守となった。小田原城を陥した秀吉を出迎えて、清正はともに故郷中村に錦を飾る。翌天正19年、太閤となった秀吉は朝鮮出兵を決意し、清正と小西行長に先鋒を命じた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
at-sushi@進め進め魂ごと
31
熊本では「清正公さん」と二重敬語で慕われ、大河ドラマ化要望も根強いが、実直な性格で武勇や戦略眼にも秀で、母親や豊家への恩義に厚く、若くして一国の大名になるや現在の熊本の礎を築く大規模土木事業により領民からも慕われと、アンチヒーロー要素ゼロな人格者(木山弾正との一騎打ちはかなりチートだがw)として描かれているため、今の時代にこのままドラマ化するのは難しそう。ってことで、三谷幸喜脚本でおなしゃすw2016/05/20
只三郎
30
加藤清正に興味を持ったのは、池波正太郎の『真田太平記』『火の国の城』を読んだのがきっかけでした。 それらの作品に出てくる清正は政治に長けた人物として描かれ、自分が想像していた武の人とは違っていたのです。 上巻に関しては、まだ若いということもあり、やはり武の側面が強く出てますが、文の才覚の片鱗も見え隠れしているように感じました。 下巻では、どのような成長した姿を見せてくれるか楽しみです。2017/12/29
Bibliobibuli
30
書店の中でついつい目に留まったので、購入。前半では、清正の純粋無垢なところが、目立ちました。また、清正、正則共に山中鹿之助を尊敬しており、「なるほど、、、納得!」と思いました。2017/11/18
金吾
29
快男児清正が書かれています。その分三成や行長が悪く書かれています。朝鮮の役がはじまり後々の紛争の種も含まれているように感じます。2024/05/25
TheWho
25
豊臣秀吉の股肱の武将で、賤ヶ岳の七本槍の一人である戦国末期の猛将「加藤清正」を歴史作家の巨匠が描く上下巻の一代記。物語は、浅井朝倉を滅ぼし長浜城主になった豊臣秀吉に縁者として仕えた15歳から始まり、そして太閤記の粗筋の中で、清正の忠勤が影のように表現され、秀吉の天才的な思考と行動を学びながら立身出世を成し遂げていく。上巻は、天下統一を果たした秀吉から肥後半国の大名に任じられ、そして朝鮮出兵の序章迄が語られている。下巻の展開が楽しみです。2018/02/19