出版社内容情報
麻薬こそ神への道だ!──日常生活に潜む絶望、倦怠、孤独を抉りとり、神なき地の人間模様を描ききる長篇。幻影は人を救えるのか?
内容説明
この薬は、人を酔わせるのではなく醒めさせる。宇佐見暁照が、敗走する日本軍から置き去りにされて生死の境を彷徨った南海の孤島で授けられた秘薬は、テニス・コートで出会った人間たちにどんな風景を垣間見せたのか。絶妙のストーリーテリングと小説手法で、日常生活の常識に様々な疑問を投げかける傑作長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
背番号10@せばてん。
24
1995年3月28日読了。あらすじは忘却の彼方。(2020年10月4日入力)1995/03/28
サンデーエレファント
2
タイトルに釣られて読みましたがテニスは出てきません。テニスクラブオーナーがもたらした秘薬を使い各々がある種の悟りを得るお話。 執着を捨てる話は響きました。 執着を捨てても偽善的でない生き様が良かったと感じました。2019/01/30
tsuneo.kuroda
0
テニスコートというから、テニス小説かと思ったら、薬物幻覚症状を扱った、内容でした。それはそれなりに読み終わりましたが、何か後味の悪い印象でした。2013/11/01
kayoshi
0
★★★・・ 2009/09/01
オサム
0
1980年の作品だというから、あの「無名碑」を書いた頃のような視力を失うかも知れないという苦しさから一旦は逃れながらも、再び異常な視力に苦しんでいた頃らしい。そのせいもあってか、なんとまあ「人間としての苦しさ」を赤裸々に描いたものだ。世俗にまみれた身としては、読み進めるのが少々きつかった。曽野綾子らしい作品だと言えばそれまでなのだが。2020/05/18