出版社内容情報
育児について語ることは親の生き方について語ることであり人は何のために生きるかの問に答えることです。エッセイと識者の対談を通して人間とは何かを究める書
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
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「他者を発見するから自己が限定され、限定された存在としての自己を発見する」「小さい挫折を重ねることによって、社会に期待されうる人間に変身してゆく」「自分たちが子供の自由を奪ってるんだということを、大人たちはまず自覚してかかる必要がある」「自由で『ありうるように』訓練をしなきゃいかん、それが教育なんだ」「人間が人間の道具になっちゃいけない」「自殺の問題は、どんな力が彼を押したかではなくて、そもそもなぜ彼が世界の端っこにいたのかを考えなければならない」「どんな不条理な親でも、子にとっては適応すべき環境なんだ」2013/01/13
Ryoichi Ito
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育児論。精神分析に熱中。2015/12/15
焔星
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先日、家人と話していてわかったのだが、自分が「影響を受けた人」がいるとするならば、それは伊丹十三だ。成長する段階ごとに、常に手本として彼がいた。自殺したのは許されないが、息子との向き合い方を手本にしたのは本書だった。2013/12/02
halfpint
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なつかしい。わたしの中に間違いなくこの本から作られた部分がある。2008/07/02
ひるお
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子どもを育てるとはどういうことか? 俳優・映画監督・エッセイストとして活躍した伊丹十三が、性・仕事・教育など、あらゆる領域を経由しながら子育てについて考えたエッセイ・対談・鼎談集。1979年刊行とのことだが、今読んでも全く古くないどころか、40年のちの今も状況が変わっていないことに目眩を感じる。正確には、経済的格差の進行と窮乏によって、状況はますますひどくなっているのだろうが。伊丹の視点は今もなお新鮮で目を開かされる。男性の“有名人”が、公的な場でこんなことを言っていた時代が、40年前にもうあったのだ。2023/12/06