文春文庫<br> 少年讃歌

文春文庫
少年讃歌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 557p
  • 商品コード 9784167125073
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

十六世紀、天正遺欧使節の若者たちが辿ったローマへの道。初めて見た異国、その文化…。八年有余の波瀾と苦難と驚きの連続を描く第十五回日本文学大賞受賞作品!

内容説明

天正8年の4月、肥前有馬の切支丹の学問所に、コンスタンチノ・ドラードという名の少年がいた。彼が語る、天正遣欧使節に選ばれた日本の若者たちの苦難と驚きにみちたローマ往復の次第。それは8年余の歳月を要した。無為におわった彼らの青春をみごとに描破した歴史大河長篇。第15回日本文学大賞受賞作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おとん707

9
少年とは伊東マンショ、千々石ミゲルら天正遣欧少年使節のこと。使命を帯びポルトガルを経てローマに派遣された足掛け九年に及ぶ苦闘の日々が同行したドラード従者が回想する形で淡々と語られる。実は私は本書を片手にポルトガルを旅してきたばかり。読みながら縁の地を訪ねて彼らの艱難辛苦に色々気付かされた。彼らの純粋な信仰心とは別に一部派遣宣教師とカトリック世界の思惑が見え隠れする。切支丹禁令のもとでの彼らのその後に同情を禁じ得ないが、秀吉や家康が覇権を振るう大国に敏感だったのも分らぬではないなと嘗ての大国の地で思った。2023/06/19

てっしー

4
全体の半分ほどで図書館返却期限につき泣く泣く返却、よってここまでの感想→天正遣欧少年使節を描いた数少ない小説。実在した従者コンスタンチノの視点から旅行記風に活写。過酷な船旅やこの時代の西欧3国の様子(風土や国民性の微妙な違い等)がありありと描かれて面白い。一方、伊東・千々石ら使節個々人の描写はやや平板。若くしてこんな辛い思いをせざるを得ない彼らの信仰的葛藤についても読みたいので今後に期待。イタリア入国まで読み、物語は佳境へ!続きはどうなる?また今度借りよう。2014/01/05

k

0
時代に翻弄された人々の話。400年以上も前のことが身近に感じられる。あっさりした最後が悲しい。2014/10/17

ayata

0
文庫のうしろに、まったく文体が乱れないというようなことが書いてありましたが、 本当に全然感情で文章がぶれるということがなく、最初から最後まで同じ調子で 長い旅路を書ききってあって感服しました。 寄り道もないし、冷静で客観的であると感じます。 ただ、少年使節という題材に関してはこの文体や手法が合っていたとは思えない というか、彼らの旅路は特に全体を通して大きな出来事があるわけではないので この文体で、しかもドラードという傍観者から見た視点だと読み切るのが辛いものが ありました。彼ら自身の言葉であるとか、感2011/07/25

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