内容説明
永年にわたる文学の友であり、また仏門と政治という別々の道を歩んだ二人の作家が、人生への想いを託して交わした往復随筆。涙について、運命について、幽霊、老い、記憶…。人生の光背を想い、転機を語り、不可知なるものを畏れる感性と情熱が、温かく、時に激しく交差する。これは、二人の「永い友情の記念碑」である。
目次
涙の訳
人生の軌跡
海という母
転機
「人間」の運命
心の通い
夢、夢、夢。
不可知なるもの
老いるということ
雨に濡れ、風に吹かれる〔ほか〕
著者等紹介
瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年、徳島生まれ。東京女子大学卒。61年「田村俊子」で田村俊子賞、63年「夏の終り」で女流文学賞を受賞。73年11月14日平泉中尊寺で得度。法名、寂聴。92年「花に問え」で谷崎潤一郎賞、96年「白道」で芸術選奨文部大臣賞、2001年「場所」で野間文芸賞を受賞する。06年、文化勲章を受章
石原慎太郎[イシハラシンタロウ]
1932年、神戸生まれ。一橋大学在学中の55年に「太陽の季節」で衝撃的なデビュー。翌年、同作で芥川賞を受賞する。その後「化石の森」「生還」など数多くの作品を執筆する一方、68年に参議院議員に当選。後、衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年、勤続25年を機に国会議員を辞職。99年、東京都知事に当選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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