文春文庫<br> ニホン語日記

文春文庫
ニホン語日記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 297p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167111182
  • NDC分類 810.4
  • Cコード C0195

出版社内容情報

「女より酒(これ)さ」池波正太郎における振仮名の研究から「みんな粒よりみんな清純」ピンクビラの考察まで。多彩異色の日本語観察日記

内容説明

言葉はゆれる、ゆれつつ生きる。日常なにげなくつかわれるニホン語の不思議。アソコをアスコ、新宿はシンジク。けれど江戸期も同様で百人一首をヒャクニンシッシ、亭主をテイシと読んだという。言葉の奇才が講ずる、興味津々の現代ニホン語講座全46講。ニホン語を愛する人、憂う人、さらに壊す人におくる本。

目次

マニュアル敬語
ボディ敬語
説明文の伝達度
Xの魅力
不動産広告のコピーは、いま
漢字の行列
利益のやりとり
ゆれる言葉
現地の発音
ピンクビラの文章〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kokopelli

36
まぁ古い本である。週刊誌に連載した平成元年から四年頭までの井上ひさし氏の日本語にまつわるあれこれのコラムである。当時の世情を踏まえた日本語について井上氏の私見が述べられているのだが、その中から伺い知れる当時の様子が懐かしい。例えば駅の伝言板が消え始めたのがこの頃らしい。国会での牛歩戦術なんていうのも出てきた。言葉に関して言うと、外来語が巷に溢れかえっていて氏が辟易しながらも、外国から様々なモノが輸入されているのだから、言葉もまた同様なりと。バブルで様々な新しいモノが溢れていた時代であった。続巻も読みたい。2024/02/07

yyrn

21
図書館の「日本語」特設コーナーにあった古い本。著者のモットーである「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを愉快に、愉快なことを真面目に書くこと」を地で行くような、30年以上も前の週刊文春連載のコラム集だが、色あせることなく、次から次へと繰り出される日本語に関する豊富な話題が(JAPANか,NIPPONか,NIHONかなど)とっても楽しかった。特にその日本語関連資料の集め方の、オタクを通り越した、まさに病的「渉猟」ぶりに圧倒されるし、PCやスマホから簡単に情報を入手できる現代に生きていたら⇒2025/03/27

mawaji

8
やはり言葉はナマモノ、時代とともにアップデートしては先祖返りしていくものなのでしょう、30年前の著作ですが「デコる」とか「爆買い」のような爆の大流行はつい最近の出来事のようです。「『ヴ』という表記を発明したのは福沢諭吉」及び「ステレオタイプということばを流行させたのはアメリカの国宝的ジャーナリストウォルター・リップマン」のような小ネタを知っている人はそんなにいないのでは。池波正太郎の振り仮名に対する考察で二行併読・二重表記の構造説に納得。「他人の読めない漢字は名前に使うものではない」という主張は切実です。2019/03/03

グッダー

6
言葉は時代を表す。だからこそ言葉を、時代を映す鏡としてみていかなければいけないのだと思う。井上ひさしさんは、言葉が移ろっていくことをよしとする言語観を持っている。「最近の若者は言語が乱れていてけしからん」といったようなことは、この本では一つも語られていない。それは、井上ひさしさんが、言葉は移ろうことでしか存続可能ではないということを、実感していたからだろう。 (つづく)2016/06/13

jjj

2
姓を奪い、ことばを奪い、文字を奪う。これが、わたしたちの国が韓国や朝鮮にしたことのうちの一つなのである。たしかに思い返すだけでもぞっとするような事実だ。しかし折にふれて思い出さなければだめだと思う。さらにその事実を正確に後進に伝えなければなんにもならない。過去をできるだけ正確に記録して後進に托す。そこからしか未来はひらけないと思うが、今度の検定結果はそれを忘れ、若い人たちの未来を閉ざそうとしている。(188頁)この本のなかで、心に残った一文です。2025/04/11

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